〜遺伝子と未来、『人生100年時代』を可能にする最先端医療〜

本庶佑・京都大特別教授のノーベル医学生理学賞受賞の決定を受け、「オプジーボ」をはじめとするバイオ医薬品に対する注目が高まっています。
近年バイオテクノロジーによる創薬が急激に進化している背景には、遺伝子(ゲノム)解析のコスト削減・短期化、ITおよびAI(人工知能)技術の進化に伴うデータ分析能力などの向上、遺伝子(ゲノム)編集技術の進化などがあります。

第1部では、脳研究の第一人者である東京大学・池谷教授をお招きして、「遺伝子と未来」をテーマにご講演いただきます。今回の講演がDNA検査がもたらす意味について考える貴重な機会となれば幸いです。

第2部では弊社投資戦略部長より、バイオテクノロジーを活用した最先端医療技術と関連企業への投資の魅力をご紹介します。

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Bio Summit 2018

Overview

  • 日程
    2018.11.22(木)
    19:00〜20:30 (開場:18:30)
  • 会場
    コンファレンススクエア M+(エムプラス) グランド (東京/丸の内)
  • アクセス
    http://www.marunouchi-hc.jp/emplus/access.html
  • 参加費
    無料 (要事前申込み)
  • お申込方法
    盛況のうちに終了しました。ありがとうございました。

第1部 19:00〜
特別講演「遺伝子と未来」

Bio Summit 2018

池谷 裕二
東京大学 薬学部教授

人は互いに99.9%相同な遺伝子を持っています。つまり人は遺伝子レベルではほぼ同じと捉えることもできますが、逆に、このごく一部の違いによって、「誰一人同じ人がいない」という個性が作り出されていると言うこともできます。近年では自分のDNAを調べ、自分自身で知っておこうという方向に世界が動いています。将来の病気のリスクを正確に評価しようという狙いです。こうした観点では、病気を治療する時代は徐々に過去のものとなり、今後は先手を打つ時代、つまり予防医療や未病といったワードが鍵を握ります。しかしDNA検査には、少なくとも現状では、いくつかの社会的な問題があります。今回の講演ではDNA検査がもたらす意味について考えてみたいと思います。

第2部 19:50〜
「『人生100年時代』を可能にする最先端医療」
〜最先端の創薬などバイオ関連企業の魅力〜

Bio Summit 2018

塚本 卓治
執行役員 運用商品本部 投資戦略部長

「100年以上の人生を、最後まで健やかに過ごしたい」
そんな願いを叶えるかもしれないバイオテクノロジーを活用した最先端医療技術と関連企業への投資への魅力をご紹介します。

セミナーレポート
2018年11月22日 第2部 19:50〜
「『人生100年時代』を可能にする最先端医療」
〜最先端の創薬などバイオ関連企業の魅力〜

2018年11月22日に開催したバイオ・サミット2018から、弊社執行役員の塚本 卓治による講演「『人生100年時代』を可能にする最先端医療」 〜最先端の創薬などバイオ関連企業の魅力〜の内容をお届けします。

人生100年時代へ

「「人生100年時代」と最近よく言われますが、今から20年前の1998年には日本の100歳以上の人口はたった1万人程度でした。それが10年後の2008年には3万6,000人に、2018年には7万人弱と、確実に100歳以上の方が増えています。一方で、日本全体の人口は現在およそ1億2,441万人で、この1年間で40万人も減ってきています。しかし100歳以上に限れば7万人増。これが今の日本の姿なのです。

年代別では15歳未満が18万人減っています。正に少子高齢化ですね。そして、15歳から64歳は55万人減。対して65歳以上は47万人増えており、100歳以上も同様に増えています。『100年時代の人生戦略(ライフシフト)』という本の中で人口推計を出していますが、そこで提示されている一つのサンプルをご紹介します。今10歳であれば平均で104歳まで、30歳では98~100歳、60歳であれば約90歳前後まで生きると推定されています。この背景にあるのが衛生環境の改善、そして最先端医療です。

Bio Summit 2018
Bio Summit 2018

バイオ医薬品とは

今までは死亡原因となっていたような様々な病気をバイオ医薬品が治す、もしくは闘えるようになってきていることが長寿の背景にあります。例えば最近では、老化現象を抑える薬の開発も進んでいます。昨年、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレーなどの大手のアメリカの投資銀行が主幹事になって上場した会社があります。この会社が今開発しているのが、老化細胞をやっつける、という薬です。人間の老化細胞が増加することで癌や心疾患、またアルツハイマー病が引き起こされます。この老化と闘うための開発が進み始めているのです。

これからの人生100年時代、バイオ医薬品が世の中に変化をもたらすと言われています。バイオ医薬品と一般の薬との違いは、明白です。一般の薬は非常に単純な構造で模式図を作ることができ、分子量でいうと100とか数100程度です。つまりある意味誰でも、構造式さえ知れば作ることができ、特許が切れるとジェネリック医薬品が出てきて競争が激化する。その結果価格の低下圧力がかかり、なかなか利益がでないというような構造的欠陥を抱えています。一方バイオ医薬品は、化学合成ではなく、微生物や生命の力を使って作る巨大分子が基本になっています。分子量でいうと1万以上。たとえばオプジーボという有名な癌の薬の分子量は14万です。分子が複雑に絡み合って構造ができあがっているのですから、どう作ればいいか簡単には分かりません。このことからバイオ医薬品は参入障壁が高く、その分高価格が維持できる。すなわち、開発に成功すれば、ブロックバスター、年間売上げ1,000億を超えるような薬の開発も可能ということになります。

バイオ医薬品企業について

アメリカの株式指数のひとつナスダック・バイオテクノロジー指数には、10月末時点で構成銘柄は191銘柄、時価総額はおよそ100兆円です。この指数の特色は薬の開発に成功した大型銘柄が55%を占める、ということがあります。10銘柄で55%を占めて、残り11位から20位までで12.9%ですから、残りの32%に小型株171銘柄がひしめいており、それとが特色のひとつといえます。

また、一般的にバイオ医薬品はひとつの薬を作るのに10年以上かかるといわれています。迅速承認や例外的な動き、もしくはマイルストーン契約などもありますが、基本的に薬の開発期間には莫大な研究開発費による赤字が続き、(米国でいえばFDAの)承認が下りて初めてようやく売上げが立つのです。ですから薬の開発に成功すると、場合によっては株価が10倍になったり、30倍、40倍になったりということもありえます。通常ベンチャー投資でないと得られないような投資感がある一方で、薬の開発に失敗すると価値がゼロになるという、ハイリスク・ハイリターンな投資対象だということです。このことも、バイオ医薬品企業の特色であるいえます。

このバイオ医薬品企業の株価を左右するのが、新薬の開発とバリュエーションです。PER(株価収益率)を動かす原動力にもなっています。M&Aのブームが起きてくるかどうかも重要です。また、規制環境も影響を与えます。特に2015年以降は、規制環境下で薬価引き下げに関する思惑がずっと働いていたために、この業界はトランプ大統領が薬価を引き下げるタイミングを探している展開が続いていました。

一方で、医薬品は景気の影響を受けづらいという特色があります。景気が悪いからといって、それまで1錠飲んでいた薬を半錠に減らす、といことはないですよね。先日OECDの景気予測が発表になりましたが、世界的に0.2%見通しが引き下げられています。景気先行指標を見るとすでにヨーロッパを中心にリセッションの風が吹き始めています。これまでは景気敏感株が良いと言われていましたが、景気が悪くなると注目を集めるのは、景気の影響を受けづらいディフェンシブセクターです。先ほども申し上げたように、時価総額で見るとこのバイオ指数の規模は大きくありません。一方で、ハイテク分野の時価総額はMSCI米国株指数だけでも600兆円を超えてきます。600兆円対100兆円。そういった点から少しでもセクターローテーションが起きれば、資金流入の可能性があるともいえます。

Bio Summit 2018

スペシャルレポート
『人生100年時代』を可能にする最先端医療

かつて100歳以上まで生きることは、とても珍しいことでした。しかし「人生100年時代」と言われる今、60歳以下の人の平均寿命*は100歳近く、または100歳以上となるとの試算もあります。

平均寿命の伸びの背景の1つとして、医療技術の進歩が挙げられます。最先端医療は、これまで治療が難しかった病気に対する新たな治療法の選択肢となることが期待されています。

*平均寿命は、ベストプラクティス平均寿命(毎年の世界で平均寿命が最も長い国)が過去200年間で10年ごとに2年程度伸びている傾向が今後も続くことを前提に、2017年時点の年齢で試算
出所:著:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット/訳:池村千秋 「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(東洋経済、2016年)のデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

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