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米個人のバランスシート悪化は“時限爆弾”となるのか

米国では、金融市場の「炭鉱のカナリア」とされる個人のクレジット動向に不安な動きが見られ始めた。株価下落を通じた逆資産効果、住宅ローン返済額の膨張、借入延滞の増加、銀行融資の鈍化等である。特に株価については、このまま3月末を迎えた場合、富の減少を通じて名目個人消費をトレンド比で大幅なマイナスに陥らせる可能性がある。こうした消費の減速が更に株価を押し下げるという悪循環が生じる可能性も否定できないことから、当面の傾向には注意が必要である。