- Article Title
- 利上げ?テーパリング?金融政策のキホン
最近は新聞を開いたり、ニュースサイトを見ていると、「インフレ」という言葉をよく目にします。継続的に物価が上昇することをインフレーションといいますが、それを略した言葉がインフレです。この数か月、世界的に物価が上昇しています。また一方で、相場や市況に関する記事では「テーパリング」や「利上げ」という言葉を目にする機会が増えています。本稿ではこれらの言葉について学んでいきましょう。
なぜ世界的にインフレになっているのか?
そもそも、なぜ世界的にインフレが問題となっているのでしょうか?複数の要因が考えられますが、間違いなく大きな影響を与えているのが世界的な新型コロナウイルスの感染拡大です。コロナ禍では外出を伴う産業や工場で営業停止や休業が相次ぎ、その結果多くの人が職を失いました。その後、徐々に各国が経済活動を再開するにあたって、需要が一気に高まったのですが、人手・物資の不足や物流の混乱などの供給制約によって需給バランスが崩れ、値段が上昇しました。更にそこに原油価格の高騰が加わったことで、短期間で一気に物価が上昇し、世界的なインフレとなったのです。
米国における10月の消費者物価指数を見てみると、前年同月比+6.2%と高い伸びとなっていますが、6%台は約31年ぶりになります。物価上昇圧力がここまで高まったため、これまでこのインフレは「一過性のもの」であるという姿勢を一環として貫いていたパウエルFRB議長も、直近の議会証言では「一過性」という表現をやめるときがきたと発言したため、市場ではテーパリング(金融緩和の縮小)のスケジュールが前倒しになるのではないか、政策金利の引き上げが予想よりも早まるのではないかという観測が出ました。
金融政策ってなに?
このテーパリングや政策金利の引き上げというのは、いわゆる金融政策にあたるわけですが、そもそも金融政策とは何でしょうか?金融広報中央委員会では以下のような説明をしています。
インフレーション(物価がする現象)が発生すると、お金に対する信認が低下し、様々な弊害が起こる。このような場合、日本銀行では物価上昇を抑えるため、金融機関に国債等を売却する資金吸収オペレーションなどを通じて、市中の過剰な資金を吸収し、市場金利の上昇を促したりする(金融引き締め)。逆に、デフレーション(物価が下落する現象)が発生し、経済活動が停滞し企業や個人の収入を圧迫するような時には、日本銀行は経済活動を下支えするため金融機関から国債等を買い入れる資金供給オペレーションを通じて市中の資金量を増加させ、金利を引き下げるなどの政策をとる。
もう少しかみ砕いて説明してみます。たとえば、景気がよく、経済成長も順調だとしましょう。それ自体は良いことです。しかし、そのうち景気が過熱してしまうと何が起きるか。需要が高まり供給が追い付かなくなってしまい物価がどんどん高くなります。需要が超過している状態であれば、企業はどんどん銀行からお金を借り入れて次々に投資して対応しようとしますし、家計も経済成長に伴い所得も上昇していけば、更にローンを組んで住宅や自動車など高額なものを買うでしょう。そこで、金利を引き上げれば、借り入れる際のコストが高くなるわけですから、徐々に投資意欲も減退していき、そのうちに景気の過熱も冷めていくということです。とはいえ、実際にはそのようにうまくいかないという話もしたいのですが、紙幅の関係でそれは次回以降に説明します。
マーケットへの影響は?
それでは米国がテーパリングや政策金利の引き上げを実行するとマーケットにはどのような影響を与えるのでしょうか?マーケットは様々な要因で動きますから、金融政策の変更だけでどちらか一方にマーケットが動き続けるということはありませんが、たとえば、米国の金利が上がって、日米の金利差が開けばドルに対して円が安くなる要因になりますし、実際に円安になれば輸出産業にとっては追い風になるでしょう。米国の中央銀行にあたるFRBは「物価の安定」と「完全雇用」という2つの政策目標を掲げていますので、金融政策がどう変化していくかを先読みしたい場合は、消費者物価指数や失業率など、物価と労働市場に関連する経済指標の結果を確認するようにしましょう。
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が販売を目的として作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等を必ずご確認のうえ、最終的な投資判断はご自身で行ってください。
●投資信託は値動きのある有価証券等に投資するため、基準価額は変動します。外貨建資産の場合は為替変動リスクもあります。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失が生じ、投資元本を割り込むことがあります。運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性、特定の目的への適合性を保証するものではありません。記載内容は作成日現在のものであり、予告なく変更される場合があります。また、過去の実績は、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
●投資信託は預金等ではないため、元本および利回りの保証はなく、預金保険機構または保険契約者保護機構の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料の内容は、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を目的としたものではありません。
●当資料に掲載されている内容に関する著作権その他の知的財産権は、原則として、当社、ピクテ・グループまたは正当な権利者に帰属します。無断での使用、複製、転載、改変、翻訳、配布等は禁止されています。マーケット・データのご利用に関する詳細は、当社ウェブサイト 「会社情報」の「運用・方針等」内の「マーケット・データ利用規約」をご参照ください。