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外資系金融機関で働く私たちの資産運用のリアル 第2回:39歳男性ピクテ社員の資産運用状況②
渡久地 海
2022/03/25

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概要

ピクテ社員の具体的な資産運用例を可能な限り公開し、どのような考え・目的で運用を行っているか実際に示し、皆様の資産運用のご参考にして頂きたいと思います。また、このコラムでご紹介する資産運用例は、あくまでも個人の意見であり、当社の見解を代表するものではありません。


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39歳男性ピクテ社員の資産運用状況

では、私の資産運用の中身に移りたいと思います。図表1に示していますが、ポイントが二つあります。まず一つ目のポイントは、現預金の比率が低い点です。全体の5%程度しかありません。それは、先に示した投資目的(子供の教育資金の準備と老後資金の準備、インフレへの備え)が理由です。近年、少子高齢化が進行しているにも関わらず教育資金は上昇傾向にあります。また、私立学校への進学の可能性などを考えると、ある程度まとまった資金が必要になります。一方で現在、預金金利や円建ての学資保険の予定利率は歴史的に低い水準で、個人的には「手元を増やして準備する」には到底及ばないどころか「現時点で教育資金として足りる資金を、教育資金の上昇ペースに合わせて増やしていく」ことも到底期待できないと考えています。したがって、将来必要になる教育資金を準備するためには、積極的な投資を行う資産が必要と考えています。もちろん、投資を行うと損が出てしまう可能性もありますが、十分な投資期間と積立投資、分散投資(投資先の分散)などを活用すれば対応できると思います。

二つ目のポイントは、債券への投資は行っておらず、ほとんどが海外株式に投資を行っている点です。債券に投資を行っていない理由として、まず歴史的な低金利があげられます。これは日本だけではなく、他の主要先進国でも同じです。債券投資では、現在の環境において十分な利息収入が期待できないため、株式中心の投資を行っています。加えて、日本ではなく海外の株式に投資を行っている理由は、人口減少・少子高齢化により日本の国際的な競争力は弱まり、他国に比べて日本株式のパフォーマンスが劣後すると考えているためです。また、国の借金も多く、将来的に円安(円の価値の下落)が進むと見ています。

それでは、より具体的な投資先の説明に移りたいと思います。まず私の資産で最も大きな割合を占めているのが、個別の米国株式(複数銘柄)です。ある銘柄は、かれこれ10年近く保有しています。非常に値動きの大きい銘柄ですが、売却は考えておらず、引き続き保有したいと思います。次いで投資比率が高いのが、投資信託(ファンド)です。世界の公益株式に投資を行うファンドと新興国の株式に投資するファンドを保有しています。これらは主に、確定拠出年金(401k)の運用先として活用しています。公益株式とは、主に電気、ガス、水道といったインフラを提供する企業の株式です。株式の中でも相対的に値動きが小さい傾向にあります。新興国株式とは、主に中国やインド、ロシア、ブラジルなどの企業の株式です。一般的に新興国の経済成長率は先進国よりも高く、新興国株式は相対的に高いリターンが期待できます。一方で、先進国株式に比べて値動きは大きくなる傾向にあります。401kの中で、ある程度まとまった資金を公益株式ファンドに振り向け、毎月の掛け金は新興国株式ファンドで積立投資を行っています。その他に、養老保険(円建てと米ドル建て)にも加入しています(続く)。

図表1:渡久地の資産運用の内訳


渡久地 海
ピクテ・ジャパン株式会社
シニア・コンサルタント

明治大学経営学部を卒業後、日系証券会社でリテール業務に従事し、外資系銀行を経て、2014年よりピクテへ入社。入社後はフィールド・マーケティング部にて勉強会やセミナーの講師を務め、2015年より資産運用推進室へ。2018年より投信営業第一部にて投信営業に従事し、2021年から資産運用推進部にて主に販売会社の営業員や一般投資家向けのコンテンツ作成を行う。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。



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