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外資系金融機関で働く私たちの資産運用のリアル 第4回:39歳男性ピクテ社員の資産運用状況④
渡久地 海
2022/05/13

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概要

ピクテ社員の具体的な資産運用例を可能な限り公開し、どのような考え・目的で運用を行っているか実際に示し、皆様の資産運用のご参考にして頂きたいと思います。また、このコラムでご紹介する資産運用例は、あくまでも個人の意見であり、当社の見解を代表するものではありません。

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投資目的と投資先に整合性を持たせる

第1回、第2回でお示ししたものが私の資産運用の概要となりますが、大きな特徴として言えることは、かなりハイリスク・ハイリターンを期待した運用であるということです。これは、私の投資目的に合った投資先を選んだ結果です。私の主な投資目的は、子供の教育資金の準備、老後資金の準備とインフレへの備えです。老後資金については公的年金がありますが、今のところ私の世代が期待できる年金額は、現在の収入の半分程度と試算されています。それも楽観的なシナリオでの想定で、計画されている経済成長が達成できなければ更に低くなる可能性があります。インフレについても、これまであまり意識されていませんでしたが、将来的にインフレが進む可能性があると思っています。年金の受取額の減少、インフレの進展による将来的な生活コストの上昇などを勘案した結果、それなりに高いリターンが必要になるとの結論に至り、アグレッシブな資産構成となりました。このように投資目的に合った投資先を選ぶことが重要であると考えます。なぜなら、投資目的に合った投資先に投資していないと一貫した考えで運用することができないからです。

まずは投資目的、投資期間、リスク許容度を明らかにしよう

皆様が、私と同じようなリスクを取る必要はありません。私の例は、あくまでも私の考えを反映したものにすぎないからです。繰り返しになりますが、まずは皆様が、ご自身の①投資目的、②投資期間、③リスク許容度について考えてみて頂き、その上でどのような運用を行うか考えるのが良いと思います。

③リスク許容度について、手がかりがないとやや難しいと思いますので、簡易的な考え方をご紹介します。まず年率で、つまり毎年前年比でこの割合で資産が平均的に増えていってほしいと考える率で、どのくらいのリターンが欲しいかを考えてみてください。例えば、年率3%なのか、5%なのか10%なのか、それとも20%なのかというようにです。仮に、それぞれの年率で5年、10年増やしていければ、図表1のような結果となります。リターンが決まったら、次にその3倍の下落率を考えてみてましょう。リターンが年率3%であればその3倍の9%の下落、5%であれば15%の下落、リターン10%であれば30%の下落、リターン20%であれば60%の下落といった具合です(図表1)。この下落率は、「十年に一度の金融市場の混乱」というような場合に、一時的にこのくらいは下落すると最低限覚悟しておかなければならない水準です。もちろん、更に下落する場合もありますし、一時的に下落してもその後数年で元の水準に戻る場合もあります。あくまでも一時的な目安です。これを最大の下落率として考え、それに耐えられるかどうか考えてみると良いと思います(ただし、私のように個別株式に投資する場合は、投資価値がゼロになることを想定する必要があります)。

今回は私の資産運用例をご説明しましたが、次回以降、別のピクテ社員の例を見ていきたいと思います。特に、①投資目的や③リスク許容度が異なる場合、どのような運用例が出てくるか楽しみにしていただければと思います。

図表1:5年間と10年間の累積リターン、最大下落率の目安

最大下落率の目安


渡久地 海
ピクテ・ジャパン株式会社
シニア・コンサルタント

明治大学経営学部を卒業後、日系証券会社でリテール業務に従事し、外資系銀行を経て、2014年よりピクテへ入社。入社後はフィールド・マーケティング部にて勉強会やセミナーの講師を務め、2015年より資産運用推進室へ。2018年より投信営業第一部にて投信営業に従事し、2021年から資産運用推進部にて主に販売会社の営業員や一般投資家向けのコンテンツ作成を行う。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。



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