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- 円安/インフレ局面での投資を考える
ロシアによるウクライナ侵攻、米国の大幅な利上げ、日本銀行の金融緩和継続の決定など、様々な要因を受けて外国為替市場では一時1ドル=131円台と20年ぶりの円安水準を記録しました。投資をしていると株価指数の変動ばかりが気になりますが、ここまで急速に円安が進むと為替にも注目したくなるものです。それでは、円安局面ではどのようなことを考えて投資をすればよいのでしょうか。
不動産や金に投資をすればいいの?
今回の円安局面では物価上昇、いわゆるインフレも同時に懸念している投資家が増えています。総務省が発表した4月の全国消費者物価指数は生鮮食品を除く総合が前年同月比+2.1%となりました。この伸び率は消費増税の影響を除くと2008年9月以来の高水準となります。40年ぶりの高水準を記録した米国に比べれば日本のインフレ率は依然として低位ですが、デフレやディスインフレに慣れ切った日本人にとっては久しぶりに味わう物価上昇局面でしょう。
インフレ局面では資産を現預金として保有していると価値が目減りしてしまうため、投資をした方がよいと一般的には言われます。しかし、当然ながら投資は必ず儲かるものではなく、場合によっては損をする可能性もあるため、意思決定は慎重にすべきです。
不動産は流動性が低くすぐには現金化できなかったり、インフレ局面で世界的に金利が高くなると、相対的に利回りで評価されていた物流系・倉庫関連のREIT(不動産投資信託)は値段が下がってしまうこともあります。また、金に投資をするという話も耳にしますが、金は実体としての価値が存在する一方で、金利や配当などはないということもしっかりと理解したうえで投資をするか決める必要があります。
「悪い円安論」に踊らされない冷静さ
円安になると輸入品価格が上昇することから、現在の円安局面では「悪い円安論」が叫ばれています。円安には「輸出企業には追い風になる」や「訪日外客数が増加する」などのメリットもありますが、2011年前後の円高局面で多くの製造業が海外に生産拠点を移してしまったことや、コロナ禍における水際対策の影響で入国制限をかけていることから、メリットをほとんど享受できる状況にない一方で、エネルギーや食糧価格の上昇によってインフレ圧力が高まっている状況下で円安が進むと、デメリットが色濃く目に映ってしまうため、「悪い円安論」が流行ってしまうのです。
しかし、私たちは冷静でいる必要があります。前述のようにメリットを大きく享受できなくなっているものの、黒田総裁が何度も言及しているように、円安は日本経済にとってメリットが大きいと考えられます。これは黒田総裁の個人的な見解ではなく、OECDや内閣府もペーパーのなかで紹介している内容なのです。その観点から言えば、日本株も円安が追い風になる業種や海外から原材料を輸入しない企業などを選べば、十分投資する価値はあるといえるでしょう。
為替も株価と同じく将来を織り込む
円安が急速に進行したことで、今後もずっと円安が続くような言説を目にする機会が増えました。1ドル=150円、200円、500円など話はどんどん大きくなっていきます。しかし、為替も株価と同じく将来を織り込んで値段が動いています。
米国のインフレ率が歴史的な高水準になっており、日本銀行が金融緩和を継続する一方で、米国が急速に利上げを進めていくことで日米の金利差が拡大するということを織り込んで円安が進んだわけですが、依然として新型コロナウイルスへの不安もあり、ロシア・ウクライナ事案も長期化の様相を呈し、更には中国のゼロコロナ政策が世界経済にもたらす悪影響がどれほどのものになるかなど、経済の先行きには不安要素が残ります。少しでも経済成長に陰りが見えれば、米国では現在織り込まれている利上げスピードが鈍化する可能性もあります。そうなれば、円安も一服すると考えられるため、足元の円安を受けて投資方針を一気に円安モードへと切り替える必要はないでしょう。むしろ、どのような状況になっても淡々と積み立てていくことが結局は最適な投資方法といえると考えます。
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