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投資を長く続ける秘訣
森永 康平
2022/06/13

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概要

米国株式市場を筆頭に株式市場の値動きが荒くなっています。日本も例外ではありません。このように値動きが荒くなってくると、これから投資を始めようと思っていた人たちは恐怖心が強くなるでしょうし、投資経験の浅い人たちは自分の投資方法が正しいのか疑心暗鬼になるでしょう。投資を長く続ける秘訣を4つのポイントにまとめてみました。今回の内容は投資未経験者だけでなく、既に投資をしている投資家にも役立つ内容になっていると思います。



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投資スタイルを確立しよう

まず最初にあげたいのは自分の投資スタイルを確立するということです。ネット上には大量の情報が転がっているため、様々な投資スタイルや投資哲学などを目にする機会が数多くあります。そうなると、少し不安な相場展開になった時に、果たして自分の投資スタイルは正しいのか、と疑心暗鬼になってしまうものです。もちろん、柔軟に投資スタイルを変えることがダメだというわけではないのですが、私の周りで長期にわたって順調に資産を増やしている投資家は自分の勝ち筋というものをよく理解しています。

たとえば、企業の業績を分析して割高?だけど将来の急成長が期待できる銘柄を選別することを得意とする投資家もいれば、時世にあったテーマ株を波乗りしていく機動的な投資スタイルを得意とする投資家もいます。やはり、自分がどのような投資スタイルであれば、期待リターンを最も高く、そして安定させられるのかを早々に固めることが重要でしょう。

 

感情を捨てて機械的な投資をする

投資をすることで知識や経験は自然と増えていくものですが、それでも直面する壁の1つに、「自分の気持ちをコントロールすることの難しさ」があげられます。例えば、投資において損切りが重要だという情報はよく目にするものです。しかし、いざ自分のお金で投資をしていると、なかなか損切りが出来ずに、気づけば塩漬け銘柄が出来上がってしまったりします。株式投資をするのであれば、買い値から何%下落したら損切りをするといったルールに沿って機械的に投資判断をすることが重要ですし、投資対象が投資信託の場合は、証券会社が提供している「つみたて設定」を活用して、淡々と毎月定額を同じ投資信託に積立投資していくことがよいでしょう。

 

長期的な時間軸で考える

どうしても投資をしていると、短期間で資産を増やしたくなってしまいます。メディアで取り上げられる個人投資家は投資で何億円も稼いだという人ばかりですから、早く自分もそうなりたいと焦ってしまうものです。憧れるのは構わないですし、彼らの運用手法を参考にすることは良いかと思いますが、決して焦らない事が大切です。大事なお金を投じる以上、投機ではなく投資をするべきなのです。

相場の世界では多様な参加者の取引によって株価が決定されていきます。それに応じて株価は上下し続けますし、その動きを常に正確に予測することは不可能です。しかし、不当に割安な株価や、異常なまで買われすぎて高くなった株価は、いずれ理論株価に近づいていきます。理論株価から乖離した株価があるべき水準まで戻っていくまでの期間は分かりません。その熱狂や過度な低評価は何年も続くかもしれません。しかし、明らかにおかしな株価というのは、いずれ賢い投資家によって是正されていきます。そうなると、やはり長期的な時間軸で投資をしないと、このような株価の修正をリターンには繋げられないのです。

 

リスクを過度に取らない

これまでの話と重複する部分はありますが、未来のことは誰にも分かりません。日本を代表するような企業でも、粉飾決算や業績悪化などで株価が急落することはあります。そのような例はこの数年で何件もありました。よって、1つの銘柄だけに投資をすることは非常にリスクが大きい行為です。できるだけ投資対象は分散した方がよいでしょう。それを個別株式で実践しようとすると、それなりの金額が必要になるため、やはり投資をこれから始める人には投資信託が強い味方になると思います。

情報が溢れる社会において、株式市場の値動きが荒くなると多くの投資家が不安になります。しかし、自分の中に確固たる軸があれば、過度な不安に陥ることもなくなるでしょう。投資の世界で長く生き抜くためにも、このシンプルな4つのポイントは常に意識するようにしましょう。

 

 

森永 康平
株式会社マネネCEO
経済アナリスト

証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。
業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。現在は複数のベンチャー企業のCOOやCFOも兼任している。
​著書に『親子ゼニ問答』(角川新書)
日本証券アナリスト協会検定会員。


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