世界の富裕層に支持されてきた
「目利き力」とは?

世界の富裕層に支持されてきた
「目利き力」とは?

世界の富裕層に支持されてきた
「目利き力」とは?


第3回

ピクテ・オルタナティブ・アドバイザーズ
最高経営責任者(CEO)
ニコラ・カンピシェ




ニコラ・カンピシェ

ピクテ・オルタナティブ・アドバイザーズ
最高経営責任者(CEO)

1994年ピクテ・アンド・シー入社。富裕層向け運用部門ポートフォリオ・マネジャーに従事。その後、ピクテ・ロンドンにて英国の富裕層ビジネスを担当し、投資委員会メンバーを務める。2000年ピクテ・オルタナティブ・インベストメント(現、ピクテ・オルタナティブ・アドバイザーズ)に移籍。2003年同社CEOに就任

HEC(ローザンヌ経営大学院)、ロンドン・ビジネス・スクール(資産運用・企業金融コース)修了




歴史や文化は、「目利き力」の源泉


ー200年を超えて語り継がれてきたピクテの思想とは、どのようなものだと思いますか?

ピクテは、常に顧客との信頼関係を第一に考えることで、200年以上に及ぶ歴史を紡いできました。

そのために、私たちは徹底的に有言実行を実践しています。実現できない事をお約束はしません。一見すると当たり前のようにも思えますが、この信念こだわる事こそが、他社との差別化につながっていると私は思います。

ピクテに入社して20年以上になりますが、マネージング・パートナー(経営者)が昔から「顧客の成功こそが、我々の成功」と言っていたのを良く覚えています。この考え方は今でも変わらず、ピクテの重要な行動指針となっています。

長い歴史の中で、このようにして培われてきた顧客からの信頼があるからこそ、大きく成長した今のピクテがあるのだと思います。



ーニコラ自身も、先輩の運用者や経営者から実際に何かを語り継がれましたか?

ピクテのお客様は個人の富裕層の方が多く、私たち運用者は、彼らの資産を守り抜く事が求められています。そのため、資産の価値が下落するリスクをしっかり管理して運用を行う事は、ピクテの伝統の一部となっています。

私はこの伝統を受け継ぎ、常に冷静にマーケットに向き合う事の重要さを学びました。目先のリターンの獲得に夢中になり過ぎず、中長期でしっかりお客様の資産を守り抜く考え方を、経営者や先輩の運用者から直接学んで来たのです。

長く経営者の近くで一緒に仕事をする経験に恵まれ、このような大切な考え方をしっかり学び、受け継ぐ事が出来たのは幸運だったと思います。



ーピクテは、少数のパートナーが出資をして共同で経営を行うパートナー制が特徴ですが、これによりどのような企業文化が醸成されていると思いますか?

一言で言うと、それはチームワークを重視する文化だと思います。

パートナー制の組織では、パートナー同士の信頼関係が、成功の重要な要素となります。ピクテのパートナーは在任期間が長く、信頼関係が築かれています。彼らはチームとして機能し、各人が共通の理解を得た上で意思決定を行います。

このチームとして働く文化は、パートナー間だけではなく、組織全体に浸透しているのです。

このように、ピクテは、個人よりもチームワークの力を信じる文化があります。属人的な能力に依存しないこの文化は、長期に及ぶ持続的な成長の支えとなっていると思います。



オルタナティブ運用における「目利き力」とは


ーオルタナティブ運用において、「目利き」をするプロに求められる能力や資質とはどのようなものだと思いますか?

まず、オルタナティブとは、株式や債券といった伝統的な資産とは異なる投資対象を意味します。私たちは主に、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ、不動産投資の戦略を手がけています。

私たちのオルタナティブ戦略を運用する上で、非常に重要な事は、一緒に仕事をするパートナーを見極める事、すなわち、人を「目利き」する事です。

例えば、外部のヘッジファンド運用者と組み、最先端の高度な運用手法を複数組み合わせて運用する戦略がありますが、この戦略でお客様にご満足頂ける運用成果を提供するためには、信頼できる運用者と組むことが非常に重要です。

そのためには、お互いをしっかり理解し合える事が重要です。お互いに共感出来る企業文化を持ち、倫理的で、投資をする際のリスク許容度についても近い考え方を持つ人たちと投資したいと考えています。

もう一つの重要な点は、経験です。ピクテのオルタナティブ運用は約30年の歴史があります。この間、様々な危機に直面し乗り越えることで多くのことを学び、成長してきました。

このように、外部のネットワークを活用する戦略も手がけるオルタナティブ運用では、人を目利きする力や、絶対的な経験値が求められると思います。



ー創業して間もない企業を含む、未上場の企業に投資する戦略でも成果をあげています。玉石混合の市場で、将来成長する企業を目利きする秘訣を教えてください。

未上場の企業はまだ歴史が浅く、非常に限られた情報の中から投資判断を行う必要があります。そのため、将来、どのように事業が展開され、それが成功するかを想像するのは非常に困難です。

しかし、私たちは、信頼出来るパートナーと組むことで、この戦略でも大きな成功を収めることが出来ました。パートナーとは、この場合、一般的にはベンチャーキャピタルを意味します。

ハイリスク・ハイリターンな性質の戦略ですが、その成功の鍵は、一緒に仕事をしたいと思う信頼出来るパートナーを見つけることに尽きると言っていいほど、パートナー選びは重要です。私たちは長い歴史と多様な経験から、適切なパートナーを選ぶプロフェッショナルになったと思います。

※ベンチャーキャピタルとは、未上場企業(ベンチャー企業)に出資する投資会社を意味します。


ー実際に、そのような観点で目利きした銘柄が大きく成長した時のエピソードがあれば教えてください。

私たちは過去5年間で、ホームランと言っても過言ではないほどの成功を収めた企業への投資をいくつも手がけました。

そのうちの1つは、コロナウイルスのワクチン開発で有名になったモデルナへの投資です。私たちは、ウイルス感染が拡大する数年前からモデルナへの投資を行っていました。

モデルナは、ピクテが長年をかけて築き上げてきた、業界内でのネットワークやコネクションがもたらしてくれた有望な投資先の1つでした。

そういった有望な企業への投資を成功させるには、ビジネスのダイナミズムやテクノロジーの将来性を理解する能力、さらには運が必要です。リサーチの結果、モデルナが有するワクチン開発の技術は、非常にイノベーティブで効果的な技術であることが分かり、投資を行いました。

現在のコロナウイルス拡大は、モデルナの成長を大きく加速させ、投資成果は非常に大きなものになりました。

もちろん、全ての投資が成功するわけではありませんが、重要な事は、パフォーマンスに特に悪影響を及ぼす投資を出来る限り避ける事です。特にピクテでは、問題になりそうな投資を避けてきた事が、他社との差別化につながっていると思います。

※上記は個別銘柄の勧誘・推奨を目的としたものではありません。

【特別インタビュー】モデルナ社のイノベーションに迫る



ESGといかに向き合うか


ーオルタナティブ運用において、ESGの観点はどのように役に立ちますか?

非公開の企業や不動産へ投資を行うと、その会社や建物の実質的な所有者になることがあります。そのような立場にいると、それらが社会に与える影響をある程度コントロールすることが出来ます。つまり、自由度の高いESG戦略を実行し、保有する資産の価値向上も狙うことが出来るのです。

分かりやすい例では、ビルを購入した場合、新しく太陽光パネルを設置し、ビルから排出される温室効果ガスを減少させることが出来ます。このようにして、投資した資産に付加価値をつけながら、社会に与える影響をより良いものに変えていく戦略を取る事が出来るのです。

別の観点では、私たちは投資先の企業が倫理的な行動を取っているかどうかも重視しています。

例えば、アメリカで、家や車を買う余裕のない顧客への融資事業を行っている企業がありました。リターンの観点からは魅力的であるとの判断も出来ましたが、より深く分析し、議論した結果、投資を見送るという判断をしました。

目先の経済的なリターンだけに注目するのではなく、高い倫理観を持ちながら、時に忍耐強く、投資先の企業とパートナーのような関係になる事が、長い目で見た時に、お客様に最も貢献する事につながると信じています。




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