セミナーレポート


第1回 ピクテ資産運用セミナー

不透明な市場環境だからこそ伝えたい資産構築の考え方


ピクテでは、2019年5月26日から6月27日にかけて全国47都道府県でセミナーを開催。
全会場合計で2,000名を超える投資家の皆さまにご参加いただきました。
ここでは、満席となった6月10日の東京会場での代表取締役社長・萩野琢英による講演要旨をお伝えします。




セミナーダイジェスト動画





資産運用ビジネスと信頼


ピクテが、200年以上にわたって資産運用サービスを続けることができたのは、お客さまとの信頼を第一に考えた経営が行われてきたからです。ヨーロッパでは、主に王侯貴族などの富裕層向けにプライベート・バンク業務を手掛けていますが、彼ら・彼女らが重視するのは資産を何世代にもわたって受け継いでいけるかという点にあります。そして、大切な資産を託すことのできるパートナーとなるべく、ピクテは長い年月をかけて信頼関係を築いてきました。

翻って日本に目を向けてみると、個人投資家向けの投資信託ビジネスは20年足らずであり、まだまだヨーロッパの域には達していません。今回、全国47都道府県で資産運用セミナーを開催した背景には、日本でもヨーロッパと同じようにお客さまとの信頼関係を築いていきたいという思いがあります。時間はかかるかもしれませんが、ピクテが長い歴史の中で蓄えてきた資産運用に関する知見を、直接お伝えさせていただくことが大切だと考えています。




日本の金融資産が増えなかった理由


日本と米国の家計金融資産の推移を見てみると大きな違いがあります。例えば、1995年から2017年までの期間を見てみると、日本は1.1倍とあまり増えなかった一方、米国は2.8倍に大きく増えました。

こうした差が生まれた理由は3つあると考えています。1つ目の理由は、金利水準の違いです。例えば日本の国債利回りは、今ではほとんどない状態ですが、過去を遡っても米国に比べると低い水準にありました。2つ目の理由は、自国経済がほとんど成長しなかったということです。米国などは経済が成長するとともに株価も上昇してきましたが、日本ではそうした動きが見られませんでした。そして、3つ目の理由は、投資に関する知識量の問題です。投資に関する知識が不足していることから、「分からないから投資しない」という結論に至ってしまっていたということです。

では、日本と米国の家計金融資産は、どのような内訳となっているのでしょう。例えば、日本ではほぼ半分を現金・預金が占めている一方、米国では株式や投資信託といった運用資産が半分以上を占めています。日本は、これまでデフレの環境下に置かれていたので、現金・預金を多く持つという戦略は正しかったともいえます。ただ、これから10年以上にわたる長期的な資産構築に取り組む際には、経済がどういった方向に動いていくかということを見据えて考えていくことが大切です。日本では量的・質的金融緩和政策が取られていますが、仮にこうした政策が円安・インフレをもたらすという前提に立つならば、現金・預金などに資金の大半を留めておくこと自体がリスクになる可能性があるのではないでしょうか。


家計資産構成比


※「その他」は、金融資産合計から「現金・預金」「債務証券」「投資信託」「株式等」「保険・年金・提携保証」を除いた残差。
※運用資産には保険・年金・定型保証に含まれるものは含まない。
出所:日本銀行調査統計局資料(2018年8月14日発行)のデータ(2018年3月末現在)を使用しピクテ投信投資顧問作成


資産運用の安定を生み出す3原則


資産運用に取り組むうえでは、どういった点に配慮すべきなのでしょうか。ここで資産運用の安定を生み出す3原則といえるものを紹介したいと思います。原則1は、投資地域を世界に分散(グローバル分散)するということです。そして原則2は、投資地域に加えて投資資産も分散(資産分散)するということです。原則3は、限定的時間分散という考え方を取り入れるというものです。

時間分散や積立投資といった言葉を聞いたことがある人は多いと思います。積立投資は、20代や30代といった投資期間が長くてリスクをとれる人にとっては、よい投資手法だといえます。ただ、今後、収入が減っていく可能性がある50代や60代の投資家にとっては、10年や20年という時間をかけて少額の積立投資をするというのは、あまり現実的ではありません。また、この世代は退職金や相続などまとまった資金の活用も課題になります。ある程度短い期間で資産運用のベースを構築しようとするなら、投資する期間を限定するという考え方も有効だと言えるでしょう。




どこに投資するか、何に投資するか


資産運用を考えるにあたっては、最低でも10年間じっくりと投資できるかということを考えていただきたいと思います。投資というと、短期的な売買を想像する人も多いと思いますが、プロでも勝ち続けるのは難しいというのが現実です。だからこそ、長い目で見てどういった資産への投資が高い確率で勝てるかということを考えるのが大切になります。

ピクテでは世界の経済はこれからも成長していくと考えています。今から10年後には米国や欧州などの特定の国や地域の成長率の方が、結果的には高かったという可能性はあります。ただ、重要なのは、どこが一番になるかではなく、成長する可能性が高いのがどこかという点を考えてみてほしいと思います。

では、世界に投資することを前提にすると、どんな資産に投資するかというのが次に重要になります。過去30年以上にわたる値動きを見てみると、世界株式は大きく上昇してきましたが、大きな価格変動に付き合う必要がありました。一方、為替変動の影響を除いた世界国債(円ヘッジ)の場合には、金利水準が高かったこともあり、世界株式ほどは大きくないものの相対的に安定した上昇を経験してきました。ただ、金利水準が世界的に低下し金利上昇リスクが高まる中では、世界国債(円ヘッジ)だけでは、これまでのような収益性は期待しづらいかもしれません。資産の成長を目指しながらも、大きく減らす確率を下げるという視点から考えると、値動きの異なる資産を組み合わせて投資することが大切になってきます。


世界株式および世界国債(ヘッジあり)とその組み合わせの推移

円ベース、月次、期間:1985年1月末~2019年4月末、1985年1月末=100として指数化

※世界株式:MSCI世界株価指数(配当込み、円換算)、世界国債(円ヘッジ):FTSE世界国債(円ヘッジ)指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成


不透明な環境ではじめる限定的時間分散


長い視点で市場のサイクルを捉えると、すでに世界の景気はピークを過ぎてしまった可能性もあります。それならば、市場のサイクルが最も落ち込んだタイミングで投資を始めるのが良い訳ですが、タイミングを当てること自体が非常に難しいというのは既にお伝えしたとおりです。これから市場が下落サイクルに入る可能性が高いと考えるなら、ある程度まとまった資産を2、3年くらいの限定的な時間の中で、分散投資をするのは一つの方法だと思います。市場サイクルの底を捉えるのではなく、下落サイクルの中でゆっくり購入し、資産のベースを作っていくというのが限定的時間分散の考え方です。

では、予想に反して相場が上昇した場合はどうするか。相場の流れは当てられないため、もしも上昇していくようなら投資を一度止めるのも大切だと思います。腰を据えて投資をしようとしても元本が20%ほど減少してしまうと、資産運用を続ける気力がなくなってしまうものです。だからこそ、限定的時間分散という方法を取るなら、市場の下落サイクルの中で、リスクを抑えた分散投資をするのが重要になります。
テーマ株ファンドや単一国の資産に投資するファンドも魅力的ですが、あくまでも資産運用のベースを構築してからチャレンジするのが良いと思います。

2018年は、多くの資産が下落する厳しい年となりましたが、市場の不透明感は依然として高く、上下どちらに動くかを当てることは難しいと言えます。このような環境だからこそ、様々な地域・資産に投資した低リスクのバランス運用で資産構築を考えていただきたいと思います。




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