Pictet Theatre LIVE(2020.10.22 Thu.)

Title
BASE~投資の基本 ~ 債券編①〜

Overview/Agenda


Pictet Theatre LIVEは、経験豊富な投資のプロが語る最新情報を、オンライン・オフライン両方でご提供するハイブリッド型資産運用セミナーです。※現在はオンライン配信のみとなっております。

資産運⽤コンサルティング本部⻑ 北根 久之よりなど、実際のマーケットを説明できることを目的に、わかりやすく資産運用の基礎を解説するセミナーです。

投資の基礎知識を学んで始めてみようという方や、本などで学んだ内容と実際のマーケットとの矛盾を感じている投資の経験が方もぜひご覧ください。


視聴者のみなさまから頂いたご質問について、スピーカーがお答えさせていただいております。
なお、すべてのご質問にお答えできない場合もございますことを何卒ご了承ください。

(注1)お客さまからいただきましたご質問ついては、ご質問が多かったものを中心に掲載しております。
(注2)特に記載のない場合、ご質問への回答は本FAQの掲載日時点の見解です。

ご指摘のように過去40年間の世界的な金利低下によって債券投資環境は激変し、現在は債券市場全体が異常なほどの低金利状態にあります。
次回お話しさせて頂く内容と重複しますが、債券利回りが高い水準にあるところで投資を開始すれば、多くのインカムゲイン※1を得ることができ、更にその水準から利回りが低下すれば、キャピタルゲイン※2も得ることができます。一方で、債券利回りが低い水準にあるところで投資開始すれば、インカムゲインは少ないうえに、利回りが上昇すればキャピタルロス※3が発生することになります。
こうした環境下では、債券利回りからコストを差し引くと、利回りがマイナスとなってしまうものもあります。コスト控除後の利回りがマイナスということは、利回りが更に低下してキャピタルゲインが発生するか、為替リスクをとっていて為替のリターンがプラスになる、等のインカムゲイン以外のリターンが発生しない限り、リターンがマイナスになることを意味します。
十把一絡げに債券ファンドと言いましても、その種類は多種多様ですが、投資する際には、コスト控除後の利回りを確認することと、そのコスト控除後の利回りがリスクに見合うものなのかの検討することを忘れず行う必要があるでしょう。

※1インカムゲイン:資産を保有することで安定的・継続的に受け取ることのできる収益。株式の配当金や債券の利息など。
※2キャピタルゲイン:保有している資産の価格が値上がりすることによって得られる収益(リターン)。
※3キャピタルロス:保有している資産の価格が値下がりし、そこで売却した際に発生する損失。

少し難しい話になってしまいますが、物価の変動というのは常に起こっていて、更にその変動率自体、つまり物価変動率自体が上下動をしています。この物価の変動率をお金のリターンが下回ると、お金の価値が減ってしまうことになります。
例えば、100年前の初任給の20円を20円のままとっておくと「額面元本」は保たれていますが、初任給が20万円となった現在、当時の20円は現在の20万円になっていなければ「価値元本」は保たれていないことになります。この「価値元本」を減らさないためには、コストとインフレ率を控除した後のリターンをマイナスにしないことが必要です。一方で、コストとインフレ率控除後の利回り、あるいはリターンがマイナスになった瞬間、ただちに売却すべきかと問われれば、それはやや早まり過ぎのように思います。むしろ先の見通しが重要で、これからの先の運用期間中、これから10年、これから20年、といった期間で、コストとインフレ率控除後の利回りがプラスになるだろうかという検討が必要です。これから10年、これから20年といった期間で、物価とお金の増えるスピードで競争をしていると考えると分かりやすいのではないでしょうか。

債券を途中で売却せずに償還まで保有し続け、予定通りの利払いが行われ、予定通り額面金額で償還された場合のリターンは最終利回り(終利)です。
債券を扱ううえでの用語で「利率」というのは「表面利率」や「クーポンレート」とも呼ばれ、これは額面に対する債券の利子・利金の割合です。この利率は発行時に決定され、償還時まで変わりません。債券を発行してお金を借りた側から考えるとわかりやすいと思います。例えば1年後に償還する(返済する)債券100万円を利率2%で発行したとすると、1年間で額面100万円に対する2%の2万円の利子を払い、1年後に100万円を返済します。もし発行直後にこの債券が103万円で転売されたとしても、この債券の発行体(借り手)は103万円の2%の20,600円の利子を支払う義務はなく、あくまでも自分の借りた100万円の2%の2万円を払えばよいのです。この額面100万円に対する利子2万円の割合を利率と言います。
一方でこの債券を103万円で買った人は、予定通りの利払いと償還が行われるならば、利子2万円を得て、償還時に103万円で購入した債券が100万円で償還されて3万円の損をします。2万円のインカムゲインと3万円のキャピタルロスで合計1万円の損、これが投資額の103万円に対して見込まれる運用損益の割合、つまり最終利回りで、1÷103=-0.97%となります。

※数値の算出は内容を平易にお伝えすることを目的としており、コスト等を考慮したものではありません。


Speaker


北根 久之
ピクテ・ジャパン株式会社
資産運⽤コンサルティング本部⻑

都市銀行及び外資系銀行、外資系運用会社にて投資信託の商品開発、商品選定、販売などの業務を幅広く経験。2007年12月ピクテ入社。ピクテでは新商品開発とプロダクト・マネジメントを担当後、フィールド・マーケティング部にて勉強会やセミナーの講師を務め、2015年より資産運用推進室長、2018年より資産運用推進部長。2019年からは資産運⽤コンサルティング本部⻑として、⾦融機関が顧客本位の業務運営を⾏うためのコンサルティングと投資教育を担う資産運用推進部と、投資情報発信を担う投資情報部を管掌。



開催予定のセミナー



過去のセミナー動画


過去のセミナー
2024年04月22日月曜日 PM 06:30 (60分)
スピーカー
田中 純平
ストラテジスト
過去のセミナー
2024年04月22日月曜日 PM 06:30 (60分)
スピーカー
田中 純平
ストラテジスト
過去のセミナー
2024年04月05日金曜日 PM 06:30 (60分)
スピーカー
糸島 孝俊
ストラテジスト

●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。