Pictet Patronage Concert 25
イザイ 無伴奏とヴィヴァルディ 四季で魅せるこれまでの集大成
荒井里桜さん、パトロネージュ・プロジェクト3年目の集大成
2025年9月30日(火)、サントリーホールにて荒井里桜さんによるコンサート『イザイ 無伴奏とヴィヴァルディ 四季で魅せるこれまでの集大成』が開催されました。本公演は、3年間にわたるパトロネージュプロジェクトの集大成として、日本を代表する大舞台であるサントリーホールで実現しました。
今回のプログラムは、イザイの無伴奏ヴァイオリン作品とヴィヴァルディの『四季』という、性格の異なる二つの柱で構成されています。
イザイの無伴奏では、広大なホールの舞台にただ一人で立ち、孤高に音楽と向き合う姿が印象的で、荒井さんの3年間にわたる研鑽の成果が純粋に伝わりました。
一方、ヴィヴァルディでは、ヴァイオリンとクラシック音楽の魅力を最大限に引き出すべく、11人編成によるアンサンブルを巧みに導き、華やかで豊かな表現を披露しました。
ステージ上で荒井里桜さんは、「三年間の集大成を、異なるコントラストを持つ前半と後半でお見せしたい。音楽表現は単なる音ではなく、温度を宿したものであるべきであり、それによって心に寄り添うことが重要です」と語り、それぞれの楽曲に込められた世界観や背景についても丁寧に解説しました。
荒井さんの思いに加え、聴衆は音楽だけでなく、その背後にある物語や情景にも触れることができ、より一層深い感動を味わうひとときとなりました。
サントリーホールは満席となり、会場を包み込む盛大な拍手の中、コンサートは幕を閉じました。荒井里桜さんは、若きリーダーとして「クラシック音楽をより広い層に浸透させる」という目標を掲げ、今後も新たな表現を世界に広げていくことでしょう。
■ 演奏曲
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 op.27-2
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番 ホ短調 op.27-4
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲「四季」
アンコール:エルガー「愛のあいさつ」