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金融/経済史編(18)<現在の経済動向②>
2021/01/08

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概要

現在の経済動向(2012年~現在)②
前回は、2012年末の総選挙後、再び誕生した安倍政権が掲げた一連の経済政策である「アベノミクス」をとりあげました。今回は、世界の景気がリーマンショックから回復する過程において起きた、バーナンキ・ショックや東日本大震災といったショックについてとりあげます。




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中国が世界第2位の経済大国へ

2010年、日本が世界第2位の経済大国の地位を中国に明 け渡すという、日本人にとってはショックな出来事が起こりま した。日本が1968年に当時の西ドイツを抜いて世界第2位 になって以来、42年目の出来事でした。 2010年8月に内閣府が発表した、第2四半期の日本の名目 GDP(米ドル換算)は1兆2,883億米ドルで、この額は同時期 の中国の1兆3,369億米ドルと比べて486億米ドル少なく、日 本のGDP額が中国のGDP額に抜かれた格好となりました。 中国の経済成長率は高く、低成長率の日本が再び逆転す る可能性は低く、この時を基点として両国の経済規模の格 差がどんどん拡大していきました。年次ベースで見ると、 2010年のGDPは、中国が6兆660億米ドル、日本が5兆7,000 億米ドルという結果になりました(図表1)。

東日本大震災

日本を襲ったさらに大きなショックは、2011年3月11日に発 生した東日本大震災でした。宮城県の沖合いが震源地で、 地震の規模はマグニチュード9.0と、日本周辺における観測 史上最大の地震でした。この地震によって巨大な津波が発 生し、東北と関東地方の太平洋沿岸に大きな被害が発生し ました。震災による死者・行方不明者は18,000人を超え、建 築物の全壊・半壊は400,000戸を上回りました。 地震・津波による被害に加えて、人々を震撼させたのが、原 子力発電所の事故でした。津波に襲われた東京電力福島 第一原子力発電所は、1-5号機で全電源を喪失した結果、 1号機、2号機、3号機で炉心融解(メルトダウン)が発生しま した。大量の放射性物質の漏洩によって、ピーク時で 160,000人を超える方が避難生活を余儀なくされました。

繰り返されるショック

バーナンキショックとは、2013年5月~6月にかけてアメリカ 連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の発言に よって引き起こされた金融市場の混乱のことを指します。 2008年のリーマンショック以降、日米欧の中央銀行は政策 金利を実質0%にまで引き下げて景気のてこ入れを図りまし た。同時に、アメリカでは中央銀行が国債等を買い取って、 市場に大量の資金を供給する量的緩和策が採られました。 この時のアメリカの3回にわたる大規模量的緩和のことを QE1、QE2、QE3と呼びますが、日本や欧州と比較すると、 真っ先に、またはるかに大規模に実施されました。この量的 緩和の終盤の2013年5月に、バーナンキ議長が国債の購入 ペースを縮小する可能性を示唆し、更に2013年6月には 2014年以降の量的緩和の完全終了の可能性について言 及しました。 そのため、ふんだんに供給されていた資金が今後は縮小す るとの懸念から世界的な流動性不安が生じ、新興国や株式 市場から資金が流出し市場が大きく動揺しました。 特にフラジャイル5と呼ばれた、ブラジル、インド、インドネシ ア、トルコ、南アフリカの5カ国は、外国からの資金に対する 依存度が高く、量的緩和の縮小の影響をもっとも受けると見 なされて、株式・通貨とも急落しました。 バーナンキショック以降も、チャイナショックや英国のEU離 脱問題など、短期的な市場の混乱は繰り返されていますが、 ITバブルの崩壊やリーマンショックほどの市場の調整は起 こっていません。かつて、割高な水準まで買われた資産は 利上げをきっかけに価格下落が起こりました。今後もこのよ うなことが起こりかねず、次のショックに備える必要があると 考えられます。



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