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- ウォーター|上下水道ビジネスセグメント概観~安定だけ、ではない。着実な成長機会にも注目
● 当ファンドは、主に世界の水関連企業の株式に投資しています。当ファンドにおける水関連企業とは、上下水道ビジネス、環境マネジメント・サービス、ウォーター・テクノロジーの3つのセグメントの企業を指します。
● 本稿では、上下水道ビジネスセグメントについて概観します。
安定性と成長性を組合わせたバーベル戦略
当ファンドは、主に世界の水関連企業の株式に投資しています。当ファンドにおける水関連企業とは、上下水道ビジネス、環境マネジメント・サービス、ウォーター・テクノロジーの3つのセグメント(当ファンド独自の分類)の企業を指します(図表1)。
当ファンドは、上下水道ビジネスおよび環境マネジメント・サービスの安定性とウォーター・テクノロジーの成長性を組合わせたバーベル戦略により、市場の局面に応じて柔軟なポートフォリオの構築が可能であり、長期的に安定した運用パフォーマンスの獲得を目指していきます。
図表1:当ファンドの投資対象
※上記はあくまでもイメージであり、実際の状況と異なる場合があります。上記は当ファンドの投資対象すべてを表すものではなく、また上記のすべてに投資するわけでもありません。 ※上記は当ファンド独自の基準で分類・表示しています。
社会に必要なインフラ事業としての安定性 |上下水道ビジネス
22025年10月末時点のポートフォリオの状況は図表2のとおりで、上下水道ビジネスセグメントの構成比は12.8%となっています。上下水道ビジネスは、飲料水や工業用水の供給、廃水処理といった日々の暮らしや産業活動に欠かせない公益サービスを提供する水道事業者を含んでおり、業績の安定性が相対的に高い点が特徴です。日本の水道事業は、コンセッション方式*での民間事業者の参入が認められているものの、自治体による公営が主体です。このため、上下水道ビジネスセグメントの組入銘柄は、いずれも欧米やブラジルなどの民間水道事業者となっています。本稿では、同セグメントを代表する銘柄として、アメリカン・ウォーター・ワークス(米国に上場する主な水道事業者のうち、2025年10月末時点で最も時価総額が大きい銘柄)についてみていきます。
*コンセッション方式:上下水道のほか、空港や高速道路など、利用料金の徴収を行う公営事業について、設備の所有権を公共主体が有したまま、事業の運営を民間事業者に委託する方式。日本では、2022年4月に宮城県が全国で初めて上下水道事業および工業用水事業の運営を民間に委託。
図表2:ポートフォリオの状況
時点:2025年10月末
※上記は当ファンドの主要投資対象であるピクテ・ウォーター・マザーファンドの状況です。※構成比は四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。セグメントは当ファンド独自の分類で分類・表示しています。業種はGICS(世界産業分類基準)のセクターを基にピクテ・ジャパン株式会社で作成し、分類・表示しています。※「コール・ローン等、その他」は未払金等を含んでおり、一時的にマイナスになる場合があります。 出所:ピクテ・アセット・マネジメントのデータを基にピクテ・ジャパン作成
銘柄例|アメリカン・ウォーター・ワークス(米国、公益事業) ~レートベース価値の拡大とM&Aによる着実な成長機会にも注目
アメリカン・ウォーター・ワークス(以下、同社)は米国最大の上場上下水道会社で、ペンシルベニア州やニュージャージー州など24の州で民間および軍事施設向けに上下水道サービスを提供しています。
図表3:株価の推移
現地通貨ベース、日次、期間:2015年10月末~2025年11月20日
※米国に上場する主な水道事業者のうち、2025年10月末時点で最も時価総額が大きい銘柄 ※全世界株式:MSCI全世界株価指数(税引前) ※株価および全世界株式は配当込みベース 出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
米国では上下水道インフラの老朽化が進んでおり、全長約354万㎞に及ぶ国内の水道管において、2分に1回のペースで漏水・破裂が生じています。同社の事業展開地域においても、老朽化した上下水道インフラの維持管理および人工知能(AI)を活用した漏水検知技術の導入などのデジタル化を含む更新の必要性から、今後、同社は継続的に設備投資を行っていくものと見込まれます。
また、米国においては、上下水道の効率的な運営を図るべく、民営化が進んでいくとみています。米国環境保護庁(EPA)によると、米国の上水道は民間事業者による運営の比率が16%、下水道に関しては同比率が2%となっており、同社をはじめとする民間事業者の中長期的な事業規模拡大(公営インフラ事業の買収が進む)余地は小さくないと考えられます。なお、ペンシルベニア州など一部の州では民間事業者による公営インフラ事業の買収を後押しする性質の法律が設けられています。
継続的な設備投資の実施やM&A(合併・買収)などを背景に、同社が所有する事業資産(レートベース)価値の上昇が期待されます。同社の水道料金は、所有するレートベースの価値に対して、規制当局によって定められるレートを掛けるなどして算定される仕組み(レートベース方式*)となっており、継続的な設備投資の実施やM&Aによってレートベース価値が上昇すれば、売上高や利益の成長につながります。
*レートベース方式:規制当局が民間事業者の設備投資計画などを審査し、事業を運営するうえで適正と判断される水準の利益を獲得する機会が得られるようなレートを設定し、これに基づいて料金を設定する方式。
一般に、多くの先進国において、人口の減少や効率的な水使用の拡大などを背景に、今後、水使用量は頭打ちないしは減少傾向をたどっていくと考えられます。そのため、上下水道インフラの老朽化が進み、インフラ維持コストが高まるなか、相応の料金引き上げなくして、利益を確保し続けることは困難であると考えています。
一方、同社の過去10年間の実績をみると、着実な売上高成長を遂げつつ、30%を超える営業利益率の水準を維持してきたことがわかります(図表4)。2022年度の前年比減収は主に事業売却によるものであり、コロナ禍にあっても実質増収となりました。日々の生活や産業活動に欠かせない公益サービスを提供する企業としての業績の安定性はもちろんのこと、継続的な設備投資の実施によるレートベース価値の拡大(料金引き上げにつながる)やM&Aなどを背景に、着実な成長を遂げてきました。
同社は、引き続きレートベース価値の拡大やM&Aなどを通じた売上高成長を目指しており、それにより年率7-9%という一株当たり利益(EPS)成長率を実現するとの長期目標を掲げています。
なお、同社は、2025年10月27日(現地時間)に、同業の米エッセンシャル・ユーティリティーズとの統合を発表しました。株式市場では規制当局の承認をめぐる不透明感などを懸念する声もあがっており、本件発表以降、米国の金利上昇も相俟って、同社株価は低調な推移となっていますが、運用チームは本件が同社の中長期的な成長機会につながるとみて今後の展開に注目しています(2025年11月20日時点)。
図表4:売上高と営業利益率の推移
現地通貨ベース、年度(決算期末は12月)、期間:2015年度~2024年度
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
基準価額の推移
日次、期間:2025年2月7日(設定日)~2025年11月20日
※基準価額は1万口当たり、信託報酬等控除後。
(ご参考)セグメント別構成比の推移
月次、期間:2025年2月末~2025年10月末
※上記は当ファンドの主要投資対象であるピクテ・ウォーター・マザーファンドの状況です。 ※株式への投資と同様な効果を有する証券がある場合、株式に含めています。 ※構成比は四捨五入して表示しているため、それを用いて計算すると誤差が生じる場合があります。 ※セグメントは当ファンド独自の分類で分類・表示しています。 ※業種はGICS(世界産業分類基準)のセクターを基にピクテ・ジャパン株式会社で作成し、分類・表示しています。 ※「コール・ローン等、その他」は未払金等を含んでおり、一時的にマイナスになる場合があります。
出所:ピクテ・アセット・マネジメントのデータを基にピクテ・ジャパン作成
※上記組入銘柄は、特定の銘柄の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、その価格動向を示唆するものでもありません。銘柄名の後の括弧内は国名、セグメント名および業種名です。
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ピクテ・ウォーター・ファンド
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