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公益株式の利回り面での魅力が高まる
2019/10/18

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概要

世界経済の減速懸念や世界的な金融緩和の動きを背景に、世界国債の利回りが低下しており、インカムゲインの獲得手段としてみた場合、足元、世界公益株式の利回り面での魅力が高まっていると考えられます。また中長期的には、資産株の時代が到来した可能性があり、その代表格である公益株式が注目される可能性があると考えます。



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世界国債の利回り低下を受け、世界公益株式の利回り面での魅力が高まる

足元、世界国債の利回りが低下する中、世界公益株式の配当利回りとの利回り差が拡大しており、インカムゲインの獲得手段としてみた場合に世界公益株式の配当利回りの魅力が高まっていると考えられます。

米中貿易戦争を巡る不透明感や、世界経済の減速懸念の高まりなどを背景に、米国は2019年7月、9月に利下げを実施、今後、欧州でも欧州中央銀行(ECB)が金融緩和策を拡大しています。そのほかの国でもオーストラリアやニュージーランドなど多くの国が利下げを実施するなど、世界的に金融緩和の動きが加速しており、国債利回りの低下につながっています。

一方、世界公益株式の配当利回りは、過去5年間ほど3%台後半から4%台前半の水準で推移しています。

そのため、このところの世界国債の利回りの低下を受けて、世界公益株式の配当利回りと世界国債の利回り差は、2019年9月末時点で2.7%と大きくなっており拡大傾向にあります(図表1参照)。

2000年代以降、世界公益株式の配当利回りと世界国債の利回りの差が拡大した局面では、世界公益株式のパフォーマンスは堅調に推移する傾向がありました(図表1参照)。

資産株(公益株式)の時代が到来した可能性

中長期的にみても、公益株式が転換点を迎えている可能性があります。

過去60年以上の米国市場の例をみると、新サービスや新商品の市場拡大を背景に米国株式全体のパフォーマンスが米国公益株式(資産株:注参照)を上回った時期(成長株の時代)と、逆に米国公益株式のパフォーマンスが米国株式を上回った時期(資産株の時代)が、約10年前後のスパンで繰り返されていることがわかります(図表2参照)。


注:資産株とはインカム株式とも呼ばれ、安定的な配当収入と緩やかな株価の上昇が期待できる株式です。公益株式は資産株の代表格のひとつです。

2018年2月以降、米国公益株式は米国株式をアウトパフォームしている傾向があり、資産株の時代が到来した可能性があります。

また、資産株の代表である公益株式を発行する企業は、電力・ガス・水道・電話・通信・運輸・廃棄物処理・石油供給などの日常生活に不可欠なサービスを提供しているため、業績が景気に左右されにくく相対的に安定しています。

世界経済の先行き不透明感が高まっていることも、公益株式に注目が集まる可能性があると考えます。


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