- Article Title
- 消費者心理の改善に期待、プレミアム・ブランド需要の追い風に
2019年のプレミアム・ブランド企業の株価は、底堅い業績動向が示されたことなどから、2018年後半の下落から一転、 上昇となり、先進国株式を上回りました。米国や中国の消費は底堅く推移する中、景気底打ちの兆しや足元の米中通 商協議の部分合意などを受けて消費マインドが改善すれば、プレミアム・ブランド需要の追い風になると期待されます。
予想以上に底堅い業績動向を背景に、 プレミアム・ブランド企業の株価は堅調に推移
2019年はプレミアム・ブランドの幅広い分野で株価が上 昇しました。特にサブ・セクターの中で、ナイキ (米国、耐久消費財・アパレル)、ルルレモン・アスレティカ (カナダ、耐久消費財・アパレル)などのスポーツ関連分野の銘柄の株価が堅調に推移しました(図表1参照)。
ルルレモン・アスレティカの例では、健康志向の高まりや、 ファッションにスポーツのテイストをミックスする「アスレ ジャー」のトレンドなどを背景に需要が拡大したほか、イン ターネットを活用した販路拡大などを背景に売上高・利益成 長を達成したことなどが、株価上昇の要因となりました(図表 1、2、3参照)。
さらに、米中貿易戦争などを受けて中国をはじめ世界的 な景気減速の高まりや、香港の民主化デモの影響などが懸 念されたLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(フランス、耐 久消費財・アパレル)やエルメス・インターナショナル(フラン ス、耐久消費財・アパレル)などのラグジュアリー関連も、予 想に反して底堅い売上動向を示したことなどを背景に、株 価も上昇しました(図表4、5参照)。
さらにLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンについては 2019年11月に米高級宝飾大手のティファニー(米国、小 売)を買収することで合意に達するなど、企業の合併・買収 (M&A)の動きなども株価の追い風となりました。
今後の見通し: 世界的に堅調な消費動向が下支え
プレミアム・ブランドの企業は主に消費関連の商品や サービスを提供しています。そのため、過去、プレミアム・ ブランド企業の株価は、概ね消費者心理の動向を反映 した動きを見せてきました。
足元、米国では消費動向は底堅く推移しています。今後 も雇用環境の改善や賃金の上昇傾向が維持されるとみ られ、こうした点などは底堅い消費を下支えするものと考 えられます。さらに、株式市場にはやや過熱感もみられ るものの、金融緩和に支えられて当面は上昇基調が続く とみられています。こうした中で、「資産効果」も期待でき ることから、プレミアム・ブランドなどの高価格帯の商品・ サービスの需要が拡大する可能性もあると考えられます (図表6参照)。
一方、世界のプレミアム・ブランド需要を支える大きな存 在となっている中国の消費動向は、自動車販売など依 然として前年割れの状況ですが、底打ちの兆しもみられ ます。また、小売売上高については底堅く推移していま す。足元では米中通商協議が第一段階の合意に達し、 株式市場にも楽観的なムードをもたらしていますが、消費者心理にもプラスの材料になると期待されます(図表7参照)。
リスクとしては、中国経済の下振れに加えて、地政学的リ スクの高まりなどを受けて世界の旅客需要が減少するこ となどがあります。これは、特に、プレミアム・ブランドの商 品(皮革製品や化粧品など)の購入の動機となる海外旅 行を控える動きにつながるためです。
プレミアム・ブランド企業が持つユニークな 強みが相対的に高い成長見通しの裏づけ
プレミアム・ブランド企業の利益成長見通しは、今後も相 対的に良好です(図表8参照)。一方、バリュエーション 水準は、足元の株価上昇ペースが速かったことなどもあり、 先進国企業の平均に比べると、やや割高感も否めません (図表9参照)。
しかし、プレミアム・ブランド企業は今後も中長期的にみて 相対的に高い成長が期待できるとの見方に変わりがありま せん。
プレミアム・ブランド企業は、差別化された製品やサービス、 ワンランク上の経験、質の高いライフスタイルを提供してい ます。こうした点は今後も相対的に高い成長をもたらす原 動力になるものと考えます。また、世界的な旅客数の増 加や新興国の消費者の購買力向上などの恩恵を受ける と考えられます。
こうしたプレミアム・ブランド企業は、健全 な財務基盤を有し、高いキャッシュ・フロー創出力を有し ています。
特に注目されるのは、最高品質の製品、類い希な るサービスを提供し、今日の消費市場で重要な鍵の一つで あるデジタル戦略に十分取り組んでいる企業です。同時に、 持続的な成長が可能か、また、高い収益性が実現できるか などについても確認することが重要であると考えます。
同時に、持続的な成長 が可能か、また、高い収益性が実現できるかなどについて も注目しています。
【ご参考】長期的な「メガトレンド」の中で、 成長が期待
「メガトレンド」とは、流行や短期的なトレンドとは異なり、今 後世界の変化を生み出し形作る長期的なトレンドや産業 構造の変化を指します。
プレミアム・ブランド企業の成長に 係わるメガトレンドのキーワードには「二極化」、「人口動態」、 「グローバリゼーション」、「個別化」、「経済成長」などがあ ります。
“プレミアム・ブランド”も今後予測される「メガトレンド」の 流れの中で長期的な成長が期待できると考えられる投資 テーマの1つと考えられます。
特に、新興国に消費者の旺盛なプレミアム・ブランド需要 が成長をけん引するとみられるほか、「モノ」の所有から経 験やライフスタイルを重視する高齢富裕層やミレニアル世 代が新たなプレミアム・ブランド需要を生み出していること が成長をけん引すると期待されます。
さらに、プレミアム・ブランドは、選ばれた企業のみが有す るブランド力であり、質の高さや革新性などによって裏打ち されています。こうした価値は容易に形成できるものでは なく、高い価格決定力や高収益性、健全な財政基盤など につながると考えられています。
個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●投資信託は値動きのある有価証券等に投資するため、基準価額は変動します。外貨建資産の場合は為替変動リスクもあります。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失が生じ、投資元本を割り込むことがあります。運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性、特定の目的への適合性を保証するものではありません。記載内容は作成日現在のものであり、予告なく変更される場合があります。また、過去の実績は、将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。
●投資信託は預金等ではないため、元本および利回りの保証はなく、預金保険機構または保険契約者保護機構の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料の内容は、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を目的としたものではありません。
●当資料に掲載されている内容に関する著作権その他の知的財産権は、原則として、当社、ピクテ・グループまたは正当な権利者に帰属します。無断での使用、複製、転載、改変、翻訳、配布等は禁止されています。マーケット・データのご利用に関する詳細は、当社ウェブサイト 「会社情報」の「運用・方針等」内の「マーケット・データ利用規約」をご参照ください。
手数料およびリスクについてはこちら
MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。