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米国債券市場のアップデート ~米国10年-2年債のイールドカーブ(利回り曲線)が逆転~
2022/04/07

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概要

米国債券市場の動向をピクテが解説します。



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米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的なスタンスを受けて、米国10年債利回りは年初に比べて依然としてかなり高い水準で推移しており、足元で米10年-2年債のイールドカーブ(利回り曲線)が逆転する現象が見られています。

年初から米国10年債利回りは大きく変動しており、一直線に上昇してきたわけではありません。FRBのタカ派的姿勢への転換が年初の利回りの上昇に寄与しましたが、2月24日のロシアのウクライナ侵攻でリスク資産が売られたことで、3月1日には10年債利回りは1.73%に低下しています。その後、戦争に起因するエネルギー価格の高騰がインフレ率の上昇につながり、金融引き締めがさらに強化されるという市場の予想から、10年債利回りは一気に2%を超える水準まで上昇しました。

さらに、パウエルFRB議長が5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpsの利上げの実施の可能性を示唆したことで、3月25日には2.47%まで上昇しました。市場参加者がFRBの早いピッチでの利上げを予想していることから、FF先物は年内に217bpsの追加利上げを織り込んでおり、4月1日の時点で5月の50bpsの利上げはほぼ織り込まれています。米国2年債利回りも今年に入ってから急上昇し、4月1日現在で2.46%となっており、市場参加者はより厳しい利上げを織り込んでいます。

このような背景から、米国債のイールドカーブは最近、10年から2年への傾斜が反転し、4月1日には2年債の利回りが10年債より5bps高くなりました。米国では過去70年以上、景気後退の前には必ず2年債と10年債の利回りが逆転していたため、この動きは市場関係者の注目を集めています。


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