Article Title
グローバル株式市場の振り返り(2月) ― ファクターとセクターの観点から ―
2023/03/15

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

2月のグローバル株式市場をファクターとセクターの観点から振り返ります。



Article Body Text

■   ファクター

クオリティが相対的にしっかり、一方、低ボラティリティー、均等配分が苦戦しました。ただし、ファクター間で大きな差はありませんでした。

過去1年では低ボラティリティー、高配当、エンハンスト・バリューなど下値耐性が比較的強いと言われているファクターの下落が小さく、モメンタム、クオリティが苦戦しました。大手のテック銘柄の苦戦がクオリティの重荷となりました。

小型株が大型株に対して優勢で、グロースがバリューに対して優勢でした。過去1年では小型、バリューが相対的に優勢でした。

                                                                                                                                                                                                                                                                                       

■   セクター

情報技術、資本財・サービス、金融の下落が小さく、素材、不動産、公益事業などが苦戦しました。

株式市場全体は堅調な経済指標の発表、金利上昇を受けて下落しましたが、どちらかと言うとシクリカル(景気敏感)な銘柄がディフェンシブ(景気の影響を受けにくい)銘柄より相対的には堅調で、「ノーランディング(利上げが続く中でも堅調な景気が続く)」を織り込む展開だったとみています。米国の天候要因(暖冬)やコロナ禍で大きく振れた季節調整で2月に発表された経済指標が実態より強く出ている可能性もあります。今後、弱い経済指標が発表されても、金利見通しが改善する効果のほうが、景気悪化のネガティブな影響より大きいと考えて、シクリカルなポートフォリオを維持するという投資家が多いのかもしれませんが、業績悪化リスクには注意が必要です。

過去1年では、依然としてエネルギーの上昇が大きく、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、不動産などが苦戦しました。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

 

ファクターとは

ファクターとは、株式や債券など資産や個別銘柄のリターンを過去、長期にわたり生み出してきたとされるリターンの源泉です。リターンやリスクの要因を説明する共通の要因(特性)のことです。ここでは、以下の主なファクターを獲得するように作られた各指数を用いて分析しています。

 

均等配分:グローバル株価指数(時価総額基準)の採用銘柄を均等配分で投資した場合のフォーマンス
                    を示す。小型株の構成比が時価総額基準の指数に比べて高くなる傾向にある。

モメンタム:過去6ヵ月、12ヵ月など過去において、パフォーマンスのよかった銘柄

エンハンスト・バリュー:各セクターの中で、利益、資産、キャッシュフローの観点で株価が割安な銘柄

高配当:相対的に配当利回りの高い銘柄

クオリティ:利益率、財務体質、業績の安定性の点で優れている銘柄

低ボラティリティー:株価のボラティリティー(変動)や下落幅が小さかった銘柄

大型株、小型株:時価総額が相対的に大きい銘柄、小さい銘柄

グロース:業績の成長性の高い銘柄

バリュー:株価の割安な銘柄


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら


個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。



関連記事


AI(人工知能)の普及に伴い、その将来性を精査する時が来ている

新興国市場:AI投資への別ルート

半導体業界が環境に及ぼす影響 

中国債券市場の振り返りと見通し(2024年3月)

新興国社債市場の振り返りと見通し(2024年3月)

新しい産業革命