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インフレ時代の不動産投資
2022/05/13

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概要

インフレが進む中、不動産投資は投資家に魅力的なリターンを提供できる可能性があります。



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物価の上昇は、今や世界的な懸念事項の一つとなっています。インフレが加速すると、投資家は資産の退避先がほとんど無い状況に陥る可能性があります。そのような環境下、不動産は部分的にヘッジとなり得る投資先の一つです。特に、インフレだけではなく、地政学リスクや新型コロナウイルスの感染再拡大など、大きな不確実性が多く存在する状況下では、不動産は魅力的な投資先の一つだと考えられます。

世界経済が不安定な時代には、人々は資産価値の保全手段として、実物資産に目を向ける傾向があります。インフレが進行している時代も、同じような論理が当てはまると考えられます。

不動産投資により、インフレ圧力に対して、完全なヘッジを行うことはできません。しかしながら、長期的には、賃料や不動産価格はその他の物価と共に上昇する傾向があり、不動産投資のリターンはインフレと正の相関関係にあります。

無論、全く同じ歴史が繰り返されることはありませんが、足元では、特に他の資産クラスと比較して、不動産への投資を支持する材料が揃ってきていると考えています。第一に、世界経済の成長は鈍化しているものの、新型コロナウイルスの影響で建設が中断され、新築不動産の供給が2年間停止していた結果として、ほとんどのセクターで商業施設や住宅用不動産に対するペントアップ需要が見られます。

第二に、中央銀行がインフレ抑制と景気後退回避の適切なバランスをとれるかについては不確実性があるものの、今後インフレ率は金利上昇を上回る(特に欧州)可能性が高いと考えられます。この不均衡により、多額の債務を抱える政府にとっては、債務負担が事実上減少することになります。また、インフレは賃料の上昇圧力を高めますが、資金調達コストはより緩やかに上昇するため、不動産投資には追い風となります。このような動きにより、CAPレート(不動産価格に対する純利益の比率で測定される不動産の利回り)が抑制され、不動産価格の下支えとなります。これまでの経験から、政策金利引き上げサイクルでは、金利が150bps以上上昇しなければ、CAPレートに影響を及ぼさないと思われます。欧州中央銀行がタカ派的な発言をしたにもかかわらず、マーケットが予想している年末までの利上げ幅は75bps程度となっています。


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