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投資におけるエンゲージメントの影響力
2023/06/15

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概要

持続可能な社会を目指す上で、投資家と企業とのエンゲージメントは大きな影響力を持ちます。責任ある投資家としての対話が、様々な業界で前向きな変化を促すための重要な手段となります。



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持続可能な経済へ移行するためには、過去のエンジニアリングやテクノロジーを忘れることではなく、進化させ、改善し、再構築することが必要です。近年、あらゆる分野においてイノベーションは大きな進歩を遂げています。しかし、深刻さを増す気候変動問題に関しては、さらに大きな変化を必要としています。持続可能な経済の実現のためには、環境への悪影響を及ぼす産業を避け、環境に配慮した新しいアイディアへ投資する方が魅力的といえます。しかし、代替可能な資金がある場合、ダイベストメント(投資している金融資産を引き揚げること)が企業の意思決定に影響を与えられるとは限りません。責任ある投資家にとって、エンゲージメント(投資先への目的を持った対話)は、持続可能な経済を目指す上で、強力な影響力を持ち、その実現へ近づくための手段となり得ます。

 

業界の進化や最善の方法に関する投資家と企業とのエンゲージメントは、前向きな変化を促す重要な手段です。ピクテでは、このような対話は、当社の責任ある投資目線に沿って行われています。当社の エンゲージメント・フレームワークは明確な優先テーマ、リスクの高い活動、深刻な問題点に焦点を当てています。

 

エンゲージメントは、素材、サプライヤー、物流、アプローチ、プロセスなど、継続的な発展の可能性がある企業や業界を改善するための有効な手法となります。また、ブレイクスルー・イノベーション(既存のモデルが陳腐化するような変革的な業務、製品、サービス)を求めることにも重点を置くことができます。

一例として、消費財メーカーのビジネスのあり方は、私たちの消費と廃棄の方法に影響を及ぼしており、投資家たちはより責任ある事業運営の推進を促しています。様々な製品へのサステナブルな商品包装は、10年以上前から同業界における課題であり、紙ベース、再利用可能、生分解性または堆肥化可能な材料への切り替えを進めています。このようなビジネスへの影響が限定的な業界で、革新的なプロジェクトが行われていることは、ネットゼロ経済促進への貢献につながっています。

 

近い将来には化石燃料企業が過去のものとなり、全てのエネルギーが自然エネルギーにより生産されるようになるのが理想ですが、現実的にはそれはまだ不可能と言えます。現状では、世界のエネルギー安全保障を確保するために石油とガスの生産が必要です。低炭素ソリューションの規模が拡大する一方で、投資家はエンゲージメントを通して、石油・ガス事業が最善の方法に従って行われ、排出量が長期的に減少していくことを確認することができます。また、長期的には、エンゲージメントは、グリーン設備投資(環境に配慮した活動への資本支出)の増加を通じて、エネルギー業界の変革を支援する可能性もあります。

自動車産業は生き残りをかけて変貌を遂げており、電気自動車をベースとしたモデルへと着実に移行しています。多くの主要メーカーは、近い将来、全て電気自動車の製造へ移行することを予定しています。リチウムイオン電池の生産には莫大な投資が行われ、安価で大規模な生産が可能になりました。リチウムイオン電池の生産は利益を生むものの、既存の技術はサステナブルとは言えず、長期的に環境への影響に懸念があります。もし、今後全ての自動車がリチウムイオン電池で動くとしたら、その影響は計り知れません。電池を製造する企業はイノベーションを起こす必要があり、自動車メーカーはその消費者として、この問題に受動的であってはならないと言えます。

 

企業にとっても、エンゲージメントは有益なものです。投資家は、新しい技術やイノベーション、投資の動向を把握するアナリストやリサーチチームによって、ガイダンスや業界に関する知識を提供してくれます。これらは、長期的な持続可能性に向けた最も費用対効果の高い、現実的な道を模索する企業にとって非常に貴重なものです。

責任ある投資を実現するためのイノベーションには、ビジネスへのリスクの高い産業における企業の改革も含まれます。持続可能な経済への移行は、過去の工学や技術を活用しながら、現状に照らして進化、改善、再想定することです。これは、私たち人間が行う様々な発明と相まって、私たちの行動を、環境に対してより良いものに変える最も現実的な方法なのです。


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