パートナー制 プライベートカンパニーゆえの独立性


1805年の創業以来、ピクテはパートナー制(共同経営責任制)という経営形態を取り続けています。

パートナー制は、経営陣であるパートナーが会社の所有者でもあるため、上場企業とは異なり、外部株主の影響を受けることなく、独立性を維持することができます。この独立性こそが短期的な利益に惑わされることのない長期的思考に基づく経営を可能にし、顧客の資産保全を第一に考える運用を実現しています。

信用と信頼による顧客との長期に亘る関係構築を可能にしているのも、この独立性であると言えるでしょう。

しかし、独立性には重い責任も伴います。パートナーは他者や外部に責任を転嫁することなく、自らがその責任を負わなければなりません。

この責任の重さは、社会・時代の変化や様々な危機への対応に際しての意思決定の迅速さにもつながっています。


代々受け継がれ、現存するパートナーデスク
(左:エドワルド・ピクテ 1950-1975 / 右:シャルル・ピクテ1979-2005)

ピクテが数々の歴史的な危機−ウィーンの崩壊を招いた1848年の革命、1882年のパリ証券取引所の破綻、第一世界大戦、1929年の世界恐慌、第二次世界大戦など−を乗り越えてきたのも、その判断のすばやさと的確さによるものでした。

パートナー制が効果的に機能するためには、パートナーは忍耐、協力、エゴの抑制を集団の意思に適用しなければなりません。

ピクテは共同でガバナンスを適応させ、さまざまな変化や危機に対応してきました。こうしたパートナー制は、現在もピクテの経営理念の一つとして、社員同士が多様性を受容しチームワークを最大限に発揮できる企業文化・風土の土台となっています。

210余年に亘る歴史の中で、ピクテのパートナーは総勢45名、平均在任期間は20年です。各世代のパートナーは重複する任期を通じて、蓄積された知恵を獲得し、磨き、継承してきました。総合的な判断力としてのピクテの「目利き力」も、こうしたパートナー制により培われ、継承されてきたものです。



コラム: ノブレス・オブリージュ

- 果たすべき社会的責任 -


ヨーロッパには「ノブレス・オブリージュ」という伝統的な考え方があります。

フランス語で「貴族たるものは身分にふさわしい振る舞いをしなければならない」ということを意味し、現在では、富裕層、著名人、権力者、高学歴者など「社会的に高い地位や富を有する者は、模範となる振る舞いをしなければならない」という社会的責任や義務に紐づいて使われています。

ピクテはプライベート・バンクとして王侯貴族や世界の富裕層と深く長い関わりをもってきました。

また歴代のパートナーには貴族や名家出身者も多く、ノブレス・オブリージュの精神が連綿と受け継がれています。それはカルヴァンの教えと共に、長期にわたり続いている、ピクテの社会貢献活動や慈善活動の伝統に強く表れています。

例えば、1889年から1926年までパートナーを務めたギョーム・ピクテは、赤十字国際委員会の委員として活動しました。

1914年から1933年までパートナーを務めたギュスターヴ・デュナンは、ジュネーブに拠点を置くスイス・ロマンド管弦楽団の創立メンバーの1人でした。

拷問をなくすための活動に一生を捧げたジャン-ジャック・ゴーティエも、1955年から1973年までパートナーの一員でした。

こうした社会的責任や義務は、ピクテの経営理念の中核である「サステナビリティ(持続可能性)」という考えにも色濃く反映されています。

「環境関連投資」や「サステナブル投資」へのいち早い着手も、その根底にはノブレス・オブリージュの精神やカルヴァンの教えによる、個人、そして企業としての社会的責任や義務の意識があります。





ピクテについて深く知る


ピクテ・ストーリー

1805年にスイスのジュネーブに創設されたピクテのこれまでの歩みをご紹介します。

創業の地 ジュネーブ

現在も、ジュネーブに本社を置くピクテ。数多くの国際機関が置かれているジュネーブは、その歴史から「ジュネーブ精神」とも呼ばれる独立性と中立性によって知られています。

パートナー制 独立性を支えるピクテ・モデル

1805年の創業以来、ピクテはパートナー制(共同経営責任制)という経営形態を取り続けています。経営陣であるパートナーが会社の所有者でもあるため、上場企業とは異なり、外部株主の影響を 受けることなく、独立性を維持することができる点について解説します。

サステナビリティ

ピクテは社会的責任を考慮した投資活動や、社会問題の喚起、支援活動を通じた地域社会への還元など、将来世代のためのさまざまな活動を積極的に行っています。