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金融/経済史編(17)<現在の経済動向①>
2020/12/18

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概要

現在の経済動向(2012年~現在)①
2012年末の総選挙で自民党が民主党から政権を奪還し2007年に一度辞職した安倍晋三氏が内閣総理大臣に再度指名されました。安倍首相が日本再生の切り札として打ち出したのが「アベノミクス」です。名前の由来は、あの「レーガノミクス」、すなわち安倍首相が行う経済政策ということで名づけられました。今回は、現在も続く「アベノミクス」を取り上げます。




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アベノミクス 

安倍首相は、2006年小泉内閣の後に一度総理大臣に就 任していました。小泉内閣は、「自民党をぶっ壊す」、「構 造改革なくして景気回復なし」といった派手なスローガン のもと、郵政民営化、国債30兆円枠、北朝鮮訪問等を次 々に実現させました。小泉政権が任期満了で退陣した 2006年以降、安倍、福田、麻生各氏による自民党政権が 続きましたが、いずれも短命に終わり、2009年には総選 挙の結果を受けて民主党政権が誕生しました。ところが、 鳩山、菅、野田各首相の民主党政権も短命に終わり、 2012年末の総選挙後再び安倍政権が誕生しました。 第二次安倍内閣が掲げた一連の経済政策がアベノミクス です。1989年5月からの利上げを受け1990年年初からバ ブル崩壊が始まり、更に1990年3月の総量規制による貸 し出しの制限で日本経済に急ブレーキがかかり、日本は ディスインフレーション(物価上昇率が低下すること)の時 代となりました。そして2001年の3月に、日本政府は日本 経済が緩やかなデフレーション(物価が持続的に下落し ていくこと)の状況にあることを認識しました。このデフレの 状況が長く続いたことから、アベノミクスはデフレ脱却を目 指すリフレーション(デフレ状態から脱却し、まだインフレ にはなっていない状態)政策を目指しました。具体的には インフレ目標を2%に設定し、この目標に到達するまでひ たすら金融緩和を続けるというものです。日本銀行は金 融緩和を続け、政府はインフレ目標を達成するまで決し てやめない姿勢を強調して、世の中からデフレ・マインド( 心理)を一掃しようとするものです。 このデフレ・マインドの状態では、金融政策をいくら打って もなかなか効果は期待できません。企業や個人も、新た な借入で設備投資や住宅投資をするよりも、ひたすら貯 蓄に走って不況に備えようとします。この状況を打破する ために、アベノミクスでは「三本の矢」という、大胆な金融 政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦 略の三つを政策運営の柱に置きました。

大胆な金融政策と無制限の量的緩和により年率2%のインフレ 目標達成とデフレ脱却を目指し、財政政策では大規模な公共 投資を実施し、成長戦略では健康長寿社会、全員参加、若 者と女性というキーワードが並びました。2015年に自民党総裁 に再選された後は、アベノミクスは第二のステージに入り、一 億総活躍社会を目指すため「新三本の矢」が打ち出されまし た。希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心に つながる社会保障といった政策が掲げられました。 アベノミクスの経済対策でも、なかなか目に見えて景気拡大が 実感できない要因が、子育て支援や人口減少対策です。総 務省によると、日本の生産年齢人口(15歳以上65歳未満の、 労働力の中核となる人口層のこと)は1995年をピークに減少 に転じ、総人口も2008年から減少が始まっています。国立社 会保障・人口問題研究所の推計によると、このままのペースで 日本の人口減少が続くと、2048年には人口は1億人を割り込 み、2060年には8,674万人、2110年には4,286万人と現在の3 分の1になると言われています。人口の増減の鍵を握っている のが、1人の女性が一生のうちで産む子供の人数の平均を表 す合計特殊出生率です。日本は、戦後の第一次ベビーブー ムの頃は4.3を越えていました。しかし出生率は1975年には 2.0を割り込み、少子高齢化、人口減少の流れとなって行きま した。人口減少が避けられない現状、1人当たりの生産性の向 上や新たな技術革新が経済成長に欠かせない要素となって います。 2018年9月の自民党総裁選で、安倍首相は連続3選を果たし 今後3年間の任期を得ました。「三本の矢」、「新三本の矢」等 を掲げたこれまでの6年弱の安倍政権の経済政策は、デフレ ではない状況にまでこぎ着けるなど、一定の成果を上げてき ましたが、本格的な経済再生は道半ばであるということが大方 の評価と思われます。アベノミクスは、公約として掲げている 「生産性革命」と「人づくり革命」の2つの大改革で挑んでいま す



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