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物価上昇と世界公益株式
2021/05/31

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概要

コロナショックを経て商品市況は全般的に好調で、木材や銅、鉄鉱石など様々な資源の価格が大きく上昇し、米国の消費者物価指数も上昇しています。公益株式の騰落率と米国の物価上昇率の関係をみると、過去の実績(2000年4月末~2021年4月末)では、公益株式は、物価上昇率が高いほど、世界株式を上回って上昇する傾向がみられました。



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商品価格の上昇

コロナショックを経て、商品市況は全般的に好調で、木材や銅、鉄鉱石など様々な資源の価格が大きく上昇し、米国の消費者物価指数も上昇しています。

新型コロナウイルス感染拡大の経済的打撃への対応策として2020年に各国‧地域の政府および中央銀行が積極的な財政政策や金融緩和策を実施したこと、2021年に入ると新型コロナウイルスのワクチン接種が進展したことに加え、米バイデン政権による追加的な大規模財政政策などを背景に世界的な景気回復期待が大きく高まったことなどが背景にあると考えられます。また新型コロナウイルスの感染拡大による世界的なサプライチェーンの混乱なども物価上昇に拍車をかけました。木材市場については、コロナ禍で在宅勤務の広がりなどにより住宅取得ニーズが高まったことなどが木材価格高騰の要因となりました。

商品価格と世界公益株式の対世界株式相対パフォーマンス

これまでは、原油などを中心に商品価格は世界株式をアンダーパフォームしてきましたが、コロナショック後、2020年3月末あたりをボトムに上昇に転じ、世界株式に対してのアンダーパフォームの状態から脱しつつあります。この商品価格の対世界株式の相対パフォーマンスの動きは、世界公益株式の対世界株式相対パフォーマンスの動きと同様の傾向があるようです(下図参照)。この背景には、両者とも物価上昇時に他の業種よりも相対的に増益となる傾向が大きいことがあげられます(次頁参照)。

財政刺激策と金融緩和策は物価上昇に影響

米国の例でみると、1966年以降の実績では金融緩和策や財政政策が拡大すると、物価が上昇しています。金融緩和策や財政刺激政策により、現在、流動性供給や財政支出はおよそ60年間で最高水準に達しており、物価上昇圧力が高い状態にあると考えられます。

過去の実績では物価上昇は公益株式にプラスに寄与

公益企業の収益のもととなる、公共料金の設定のしくみは国や地域によって異なりますが、米国の規制下の電力料金の決定の例を簡略化してみると、電力料金はその企業の持つ設備の金額に金利に連動するレートを掛け、それに燃料費などのコストを加えて決定されます。したがって、これらの要素は物価上昇時に公益企業の増収増益要因となる仕組みになっています(下図参照)。

世界公益株式の騰落率と米国の物価上昇率の関係をみると、過去の実績(2000年4月末~2021年4月末)では、公益株式は、物価上昇率が高い方が、世界株式を上回って上昇する傾向がみられました(下図参照)。



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