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金利上昇局面でも環境関連企業の成長シナリオに変化はなし
2021/07/12

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概要

環境関連銘柄に投資するエコディスカバリーのパフォーマンスは、年初来では変動が大きくなっています。各国の政府・地域はパリ協定達成のため温室効果ガス排出削減目標を引き上げるなど環境政策を積極化しており、環境関連企業の長期的な成長シナリオに変わりはありません。



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年初来、環境関連株式は大きく変動

環境関連銘柄に投資する当ファンド(マザーファンド)は、2020年は大きく上昇しましたが、年初来では上下の変動が大きくなっています(図表1参照)。

新型コロナウイルス・ワクチンの接種が世界的に拡大する中、経済活動の正常化期待などが当ファンドのパフォーマンスのプラス要因となっています。一方で、2021年2月から3月にかけて米国の長期金利が上昇し、株式市場でグロース株からバリュー株へのローテーションが起こった局面や、5月前半にかけて世界的にインフレ懸念が高まり、米国の早期利上げ懸念が高まった局面では、環境関連銘柄は大きく下落しました。

現在、経済活動が徐々に正常化に向かう中、米国の金融政策の動向に注目が集まっています。2021年6月15日、16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では経済成長見通しが上方修正され、利上げ時期の前倒しが示唆されています。今後しばらくの間は、米国の金融政策を巡り、株式市場の変動が大きくなる可能性があると考えます。

金利上昇の長期的な影響はほとんどない

今後、金利上昇が予想される局面においても、当ファンドが投資対象とする環境関連企業のファンダメンタルズについては長期的な影響はほとんど受けないと考えます。

風力、太陽光など再生可能エネルギーへの発電源の移行や、輸送における電気自動車(EV)への移行、エネルギー効率化への取り組みといった世界各国・地域が主導している長期的な動きに変化はありません。

一部の再生可能エネルギーの開発企業にとっては、理論上、長期金利の上昇により借入金利が上昇することになりますが、発電コストが低下し導入が増えることで、ソーラーパネルやその他の関連コストが低下し、それを補うと考えます(図表2参照)。また今後、再生可能エネルギー関連のプロジェクトが増加し、プロジェクトのリスクが低いことが周知されると、借入コストが低下する可能性もあります。

一方、短期的には、2021年2月から3月にかけて長期金利が急上昇する局面で再生可能エネルギー関連やグロース株などが下落しましたが、これは2019年、2020年と株価が好調だった銘柄に対する利益確定の動きが主因と考えます。環境関連のように長期的な成長が期待される投資テーマでは、時折、利益確定の動きにより株価が下落する局面がありますが、株価の調整はよい投資機会となる可能性があるといえます。

バリュエーションは魅力的な水準

足元、再生可能エネルギー関連を含む当ファンドの投資銘柄のバリュエーション(投資価値評価)はピークよりも低下しています(図表3参照)。

2020年には一部のETFに大量の資金が流入し、同じ銘柄が買われ続けたことで、再生可能エネルギー関連や水素関連の一部の銘柄のバリュエーションが非常に高くなりましたが、このことが2021年に再生可能エネルギー関連や水素関連銘柄に利益確定の売りを誘引する一因となりました。なお当ファンドでは、投資プロセスの中で流動性や分散などを考慮していることもあり、大量の資金が流入したETFの投資銘柄はあまり保有していませんでした。

再生可能エネルギー関連銘柄への利益確定の動きやグロース株からバリュー株へのローテーションを経たことから、現在の当ファンドの投資対象のバリュエーションは、今後数年間に予想される成長の加速を考慮すると、魅力的な水準にあると考えます(図表4参照)。

長期的な成長期待、2020年代は環境関連の「投資」が加速

今後、金利上昇が見込まれる中でも、環境関連企業の長期的な成長シナリオに変わりがない背景には、各国・地域がパリ協定達成に向けて積極的なCO2排出削減の目標を設定していることがあります。

欧州や米国、日本などは2050年にCO2排出を実質ゼロにするという長期の目標に加え、今年4月に開催された気候変動サミットでは2030年に向けての積極的な中間目標も設定しています(図表5参照)。

以上のような気候変動への積極的な取り組みが行われた場合、世界経済にどのような影響を与えるかを見ていく上で参考になるのが、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が設定した「エネルギー変革シナリオ」です。

「エネルギー変革シナリオ」は、再生可能エネルギー(以下、クリーンエネルギー)やそれに伴う技術についてより野心的な取り組みが行われ、「産業化(産業革命)以前から今世紀末までの温暖化を1.5℃未満に抑えるためのエネルギー利用の変革が起こる」ことを想定したシナリオで、このシナリオ通りになった場合は、2015年に設定されたパリ協定の目標を達成することができます。

この「エネルギー変革シナリオ」では、2020年代に環境関連の投資が加速することが想定されています(図表6参照)。

風力や太陽光などクリーンエネルギーの発電比率は急速に高まり、その過程で発電設備の導入も大幅に増加することになります。また電気自動車(EV)の普及も予想され、工場や建物、自動車以外の移動手段などでもエネルギーの効率化が図られていきます。

中国の投資銀行大手の中国国際金融は、今後40年の間に、カーボンニュートラルの推進は総額約1000兆円の関連投資を生み出すといった試算を発表しています。また、既に多くの世界的な企業が脱炭素分野への投資を明らかにしています。気候変動サミットでの決定は、地球規模での温暖化への取り組みをより積極化させ、環境関連への投資をさらに加速させる可能性があり、「エネルギー変革シナリオ」が現実のものとなる可能性が考えられます。

当ファンドでは、現在、環境関連の中でもクリーンエネルギーに関連する再生可能エネルギー、エネルギー効率化、省資源化といった環境関連の投資に大きく関わる分野に注目した運用を行っています。

クリーンエネルギーへの注目度はさらに高まるものとみられる中、関連企業に与えるプラスのインパクト等が期待されます。

 



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