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2021年4月の基準価額動向と運用方針
2021/05/28

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概要

2021年4月のノアリザーブ1年の基準価額は上昇しました。世界的に景気回復期待が高まる中、株式市場は概ね上昇しました。また金は米国金利の上昇に一服感が確認されたことなどから上昇しました。為替は円が米ドル以外の主要通貨に対して下落しました。資産配分は、債券の組入れを削減し、キャッシュの組入れを増やしました。



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2021年4月の基準価額は上昇

2021年4月30日のノアリザーブ1年の基準価額は、前月末比で+260円の12,612円となりました。同期間の主な変動要因は株式が+247円、債券が+28円、金が+44円、為替が-46円でした。基準価額は前月末比+2.10%の上昇となりました(図表①参照)。なお、円資産の比率は、前月末より上昇し59.1%となりました。

運用方針:債券を削減し、キャッシュの組入れを拡大

当月の投資行動は、小幅ながら債券の組入れを削減し、キャッシュなどの組入れを拡大しました。

債券部分では、FRBが早期に資産購入政策の縮小(テーパリング)に言及することで、突発的に金利が上昇する可能性も排除しきれないため、米ドル建て公共債券などの組入れを一部削減し、小幅ながら金利感応度を抑制しました。

株式部分では、景気回復初期段階の最終局面への移行に伴って、ポートフォリオのバランスを重視し、ディフェンシブ性の高い銘柄の組入れを引き上げました。具体的には、コア・エクイティ・ファンドを通じて、テーマ戦略厳選企業株式から世界ディフェンシブ株式に一部資金をシフトしたほか、世界金融株式や世界バリュー株式などを売却し、世界ウォーター関連株式を再びポートフォリオに組み込むなどしました。

ファンドのリスク(価格変動)は新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで低下

ノアリザーブ1年の設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移してきました。当ファンドのリスク(価格変動)水準は、新型コロナウイルスの影響で先行き不透明感が高まった2020年3月に急上昇しましたが、足元では新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで低下しています(図表②参照)。

ノアリザーブ1年と主要資産の騰落率


2021年4月は、世界の株式市場は概ね続伸、金も上昇しました。一方、日本株式は下落しました。(円ベース)。

このような状況下、ノアリザーブ1年の基準価額(分配金再投資後)は上昇しました(図表③参照)。

世界の株式市場は主要経済指標が改善し世界経済の回復期待が高まったことなどが寄与し、概ね堅調な動きとなりました。金は米国金利の上昇に一服感が出たことなどを受けて上昇しました。一方、日本株式は新型コロナウイルスの感染拡大などを受けて下落しました。

今後の運用方針~現状のリスク水準を維持しつつ、徐々に保守的なスタンスに

今後の運用方針については、現状のリスク水準を維持しつつも、徐々に保守的なスタンスを強める方針です。

米国を中心に世界経済の好調が続いており、今後は欧州でもワクチン接種の進展に伴って消費者心理が大きく改善する可能性があります。また、主要各国の中央銀行は足元の緩和的な金融政策を継続すると見られ、現時点では株式などのリスク資産に対して極端に警戒的になる必要はないと考えています。しかし、中国では流動性供給の低下が見込まれるほか、米国でも物価上昇圧力の高まりを受けてFRBがテーパリングの議論を開始するのは時間の問題と思われます。


こうした認識に基づき、引き続き株式に対するやや強気な姿勢を維持するものの、今後の経済情勢次第では、株式の組入比率削減、債券のデュレーション長期化など、保守的な運用スタンスを強めることも検討していきます。

当面の変動には注意が必要


ノアリザーブ1年は、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。

ワクチンの接種は広がっており、景気回復期待も高まっていますが、新型コロナウイルスの感染動向などについては依然として先行きに不透明感があります。また、マクロ経済が堅調に推移する中、米国金利などの動向が株式や債券、金、為替に大きな影響を与える可能性があります。市場の動きに配慮しつつ、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:株式市場の際立つ割高感

【経済成長の鈍化や流動性縮小を警戒】

世界の株式市場は、年初来大きく上昇しています。また、バリュエーションも過去20年間で割高な水準にあることから、株式市場の上昇が継続するには並外れて良好な環境が必要だと考えています。

そのようななか、ピクテでは現在のリスク性資産にとって好ましい環境が長期間継続しないと見ています。グローバル経済の成長率と企業業績の成長予想のペースは、いずれも鈍化している(図表1)ように思われ、軟調な市場展開が懸念される局面に差し掛かっていると見ています。

更に、足元の急速な景気回復を受け、FRBが今後数ヵ月以内に資産買入規模の縮小を示唆する可能性も排除できません。

米国市場は、流動性供給の縮小に対して特に脆弱だと思われます。FRBの金融政策が市場の逆風に転じる可能性があることに加えて、バイデン政権の財政政策の一部も市場を下押しする可能性があると考えています。

【景気敏感株式への向かい風が予想される】

経済成長の鈍化は、景気敏感株式に対する逆風になると考えています。ハイテク銘柄を除いた景気敏感セクターのバリュエーションはディフェンシブセクターのバリュエーションを約15%上回って推移しています(図表2)。両セクターのPER格差は、急回復した製造業の業績回復の勢いに陰りが見え始めれば、縮小に転じる可能性があると考えています。

【金融セクターに割安感】

金融セクターの相対的な上昇余地は大きいと見ています。金融セクターは割安な水準に留まっていると考えることに加え、債券利回りが安定推移または上昇する局面で、他セクターを上回るパフォーマンスを示す公算が大きいためです。

債券・為替:中国国債に投資妙味

【先進国では、米国国債が堅調に推移すると予想】

リスク性資産を取り巻く環境が厳しさを増す一方で、米国国債が先進国国債のなかで最も高いリターンを提供するであろうとの見方は変わりません。

【今後の注目は米国の量的緩和縮小の開始時期】

市場は、金融緩和の継続を主張し続けているFRBの予想に先立って利上げを織り込んでいます。一方、FRBは、時期尚早の利上げを余儀なくされる状況を回避したいと考えていると見ています。利上げまでの猶予期間を確保するため、量的緩和(資産買入)プログラムの縮小を始めるものと考えます。量的緩和の縮小は、2022年の早い時期までは行われないとの見方が一般的ですが、早ければ6月の連邦公開市場委員会(FOMC)、或いは8月のジャクソンホール会議で発表される可能性もあると考えています。もっとも、期待インフレ率(図表3)が上昇し続けた場合、FRBは「低金利の長期化」を正当化することは至難の業であると認識することになるだろうと考えています。

【引き続き中国国債を選好】

バリュエーション面での魅力と分散効果を背景に、中国国債に投資妙味があると考えています。政府当局は、コロナ後の景気回復局面を経て、金融・財政政策の正常化を着実に進めていることから、インフレ圧力は抑制されると考えています。他方で、経済成長の原動力は、外需から内需へと転換し始めていると見ています。

また、対ドルで15%程度過小評価されていると考えられる中国元(図表4)の上昇期待も、中国元建て中国債券のトータルリターンを押し上げる可能性があると考えます。

【米ドルに対してはニュートラル、新興国通貨は長期的な上昇を期待】

米ドルに対する中立的な見方を維持します。バイデン政権の財政政策は米ドルに対する支援材料になると思われる一方で、これを相殺する要因として挙げられるのが、金融緩和の継続と期待インフレ率の上昇です。

新興国通貨に対しては、長期的に強気の姿勢を維持しています。米国経済の相対的な強さが薄れる局面では緩やかなドル安・新興国通貨高を見込んでいます。


個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。


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