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2025年12月のバイオ医薬品市場
2026/01/21

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概要



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■バイオ医薬品関連企業の株価動向

12月のナスダック・バイオテクノロジー指数(ドルベース、配当含まず)は下落しました。

世界の株式市場は、AI(人工知能)関連企業の成長性や株価の割高感に対する警戒から下落する局面もありましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げや、ユーロ圏の経済成長見通しの上方修正などを背景に上昇基調で推移し、月間でも上昇となりました。このような中、バイオ医薬品株式は、10月、11月と大幅に上昇していたこともあり、小幅に下落しました。 M&A(合併・買収)関連では、バイオマリン・ファーマシューティカル(米国)がアミカス・セラピューティクス(米国)を約48億米ドルで買収することを発表しました。

株価が上昇した銘柄としては、バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)、イルミナ(米国)などが挙げられます。バーテックス・ファーマシューティカルズは、競合他社の良好な治験結果の発表を受けて、同社が開発を進めるIgA腎症治療薬候補に対する期待も高まったことなどが株価の上昇要因となりました。イルミナは、業績が回復基調となる中、長期にわたる株価の低迷からの回復が継続しました。

株価が下落した銘柄としては、アルナイラム・ファーマシューティカルズ(米国)、インサイト(米国)などが挙げられます。アルナイラム・ファーマシューティカルズは、アミロイド心筋症などの治療薬への期待などから2025年夏以降、株価が大きく上昇していたこともあり、利益確定の動きなどにより下落しました。インサイトは、希少な血液がん向けの抗体薬のパイプライン(新薬候補)について、良好な治験結果を発表したものの、投資家からの期待が非常に高く、これまで株価が大きく上昇したこともあり、材料出尽くし感などから下落しました。



■今後のバイオ医薬品市場見通し

バイオ医薬品株式市場は、米国金利の変動や米トランプ政権の関税政策などを背景とした景気見通しの不透明感、米トランプ政権によるヘルスケア関連政策への懸念などの影響を受けて、変動が大きくなっています。米国における薬価引き下げの動きについては、主要医薬品企業と米国政府が合意に至り、業界全体の薬価に関する不透明感が後退したことから、幅広い投資家が医薬品セクターに再注目することが期待されます。

M&Aの動きは、2025年は2024年の低迷から回復しました。引き続き大手の医薬品企業や大手のバイオ医薬品企業が大型治療薬の特許問題に直面し、パイプライン(新薬候補)の強化が求められていることもあり、増加傾向の継続が期待されます。引き続き、フェーズ2で良好な治験結果が示された治療薬候補を有するなど買収後のリスクの低い銘柄が注目されますが、アンメットメディカルニーズの大きな分野においてパイプラインを有する銘柄も関心を集めるとみています。新薬の開発では、画期的な新薬の開発が続いており、AIの進化が、さらに開発を加速するとみています。また米食品医薬品局(FDA)が、医療ニーズが満たされていない適応症の治験については柔軟な姿勢を示していることも治療薬の開発を支援するものと考えます。さらに、資金調達については、新薬の開発が順調な企業では引き続きスムーズに進められています。

長期的には、医薬品に関連する医療費についての議論が大きく変化していることがわかります。いくつかの国では治療の有効性に応じて医療費を支払う制度(価値に基づく医療)が利用されていますが、処方薬で最大のマーケットである米国においても、従来の出来高払い方式ではなく、同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。

医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、治療薬の開発といった科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面においてもイノベーションを生む良い機会となると考えます。さらにAIの進化はバイオ医薬品業界のイノベーションに大きな役割を果たすことが期待されます。





■バイオ医薬品関連企業の売上高は新薬承認後の業績寄与などにより相対的に高い伸びに

バイオ医薬品関連企業の売上高は、堅調に成長してきました。(図表6参照)バイオ医薬品関連企業については、引き続き多くの有望な治療薬候補を有しており、新薬承認後の業績寄与が期待されていることから、今後3年間で年率+12.1%の相対的に高い売上高の伸びが予想されています。(図表7参照)




■売上高の伸びに沿って株価も上昇

過去の実績では、バイオ医薬品関連企業の株価 は、売上高の伸びとともに上昇してきたことがわかります。(図表8参照)



■バリュエーション

バイオ医薬品企業の業績が景気動向に左右されにくい特性などが注目されて2021年夏頃までは株価が上昇し、PSR(株価売上高倍率)で見たバリュエーション(投資価値評価)の水準も上昇していましたが、2021年秋以降は新薬承認申請に対するFDAの予想外の決定などがマイナス要因となったことに加え、2022年半ばにかけてナスダック市場の下落が大きくなる中、ナスダック・バイオテクノロジー指数も下落したことからPSRも低下し、その後、低水準で推移してきました。ただし、2025年秋以降はバイオ医薬品株式の上昇を受けて、PSRも上昇しています。(図表9 参照)







                                                                    

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