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改めて、欧州の経済予測を振り返る 欧州/ユーロ圏

欧州の景気減速が幅広く認識されはじめています。欧州委員会の経済予測は下方修正が大幅であったことや、昨年からの景気減速要因が引き続き、欧州景気を下押しする懸念があるため、欧州国債利回りが低下するなど市場で小幅ながら反応も見られました。一方で、堅調な雇用など下支え要因もあり、底割れは回避が見込まれていますが、今後の展開に注意は必要です。

欧州委員会:ユーロ圏の成長見通しを下方修正、ドイツやイタリアなどが減速

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は2019年2月7日、四半期の経済予測(レポート)を公表し、19年のユーロ圏成長率を1.3%と、前回(18年11月)の1.9%から下方修正しました(図表1参照)。

 同日(2月7日)に、英国ではイングランド銀行(英中央銀行)が金融政策委員会(MPC)を開催、19年2月のインフレ報告を公表しました。インフレ報告で、19年の英実質GDP(国内総生産)成長率について、予測を1.2%と、前回の1.7%から引き下げました(図表2参照)。

どこに注目すべきか:欧州委員会、保護主義、財政、英国EU離脱

 欧州の景気減速が幅広く認識されはじめています。欧州委員会の経済予測は下方修正が大幅であったことや、昨年からの景気減速要因が引き続き、欧州景気を下押しする懸念があるため、欧州国債利回りが低下するなど市場で小幅ながら反応も見られました。一方で、堅調な雇用など下支え要因もあり、底割れは回避が見込まれていますが、今後の展開に注意は必要です。

 欧州委員会がユーロ圏成長率を下方修正した主な要因は次の通りです。

 まず、外的要因として、保護主義的な通商政策の消費や投資への影響を指摘しています。中国を主要輸出先とするドイツは、中国経済の減速に伴う輸出鈍化が経済の下押し要因となりましたが、減速傾向は当面続く見込みで、19年の成長率は1.1%へ下方修正となっています。

 レポートでは、今後の下方リスクとして輸出の低迷や、投資マインドの縮小などが懸念されています。レポートでは具体的に述べていませんが、米国はEUに対し新たな自動車関税導入を検討している模様です。その可能性はゼロではないだけに、注意は必要です。

 貿易など外的要因はドイツだけでなくユーロ圏のほとんどの国に影響しますが、内的要因は特定の国に見られます。

 例えば、イタリアの予算案に端を発した財政問題は、政策の不透明感とイタリア国債利回り上昇によるコスト高で投資などを抑制、この影響は当面続くと見られています。

 外的か内的要因かは別にして、英国のEU離脱を巡る不透明感は英国経済はもとより、広く欧州経済に影響を与えてきており、今後の動向も懸念されます。英中銀の英国経済成長予想では、EU離脱を巡る不透明感が企業の設備投資の遅れや消費者動向に影響を与えるとして19年の成長率見通しを大幅に引き下げています(図表2参照)。なお、予測は3月29日以降に移行期間を定めて合意して離脱することを前提としています。無秩序な離脱など不確実性が高まり、金融市場が混乱した場合、大幅な成長見通しの引き下げを示唆しています。反対に、不確実性が低下すれば、19年で1.6%、20年には2.2%程度への回復も示しています。

 もっとも、欧州委員会のレポートでも、欧州の雇用市場は堅調であること、ユーロ圏全体では資金調達コストは低水準であることなどが下支え要因として指摘されています。そのため、欧州の景気底割れの可能性は低いと見られるものの、リスク要因は様々で、今後の展開に注意は必要です。

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