BIOTECH

バイオテック



バイオテックが生み出す潮流


知識重視の社会

患者が知識を深めることは、正しい診断や的確な治療につながります。同時に、患者団体は、研究に資金を提供し、公共政策に影響を与える手段を持つようになりました。


高速化&複雑化

ハイスループットスクリーニング(新薬の候補となる膨大な数の化合物から、有用なものを迅速に高効率で選別する技術)、シーケンサー(DNAなどの配列を解読する装置)、自動化により、膨大な量のデータが生成されています。バイオインフォマティクス(⽣物情報科学)、人工知能(AI)、イン・シリコ実験(コンピューターを用いた実験)などのツールは、これらの生物学的データの解析や医薬品開発と研究開発の生産性を高めることに役立ちます。


技術革新

科学的イノベーションの最先端を走るバイオテクノロジーは、私たちの生活そして環境のあらゆる場面に恩恵をもたらします。それは毎朝使う歯磨き粉から、健康維持のために就寝前に飲む薬や糖尿病等生活習慣病をコントロールする薬まで多岐にわたります。


個別化

高度な診断と次世代のシーケンサーにより、患者一人ひとりに合わせた医療が可能になりました。例えば、細胞治療では、患者自身の免疫細胞を医薬品にすることができます。


人口動態の変化

人口動態の変化により2015年に8%だった65歳以上の高齢者は、2050年には世界人口97億人のうちおよそ20%を占めるとされており(1)、医療制度は逼迫するばかりです。これを緩和するためには、高齢者の健康を支える医薬品の活用が急務であり、開発への大規模な投資が必要とされます。

出所  (1) United Nations, World Population Prospects, 2019



人口が増加し、人の寿命が延び続けている今、医療費を抑え、健康を維持するための新しい方法を見出す必要があります。私たちの生活の質の向上を目的に、生物学的プロセスを踏まえ医薬品・医療技術の開発を行うバイオ医薬品企業は、これらの諸問題を解決するのに重要な役割を果たします。



医療革新の力を活用する


高齢化社会への挑戦

高齢化は、世界的事象になってきています。現在もっとも顕著なのはイタリア、日本、ポルトガルやスウェーデンといった先進国ですが、65歳以上の高齢者が人口に占める割合は、ほぼすべての国で増加しています(1)。循環器疾患や糖尿病といった加齢が原因の病や生活習慣病の患者数増加は、医療のための国家予算が逼迫することに繋がります(図1参照)。

例えば米国では平均的な先進諸国と比較し2倍以上の医療費を費やしています(図2参照)。コストを削減し、逼迫する医療制度を緩和する必要性は高まっており、より大きな革新が奨励されています。


イノベーションが鍵

バイオ医薬品における革新として、がん、HIV/エイズ、およびその他多くの重症疾患の患者に対するターゲット療法(患部に限定して薬剤を送り込み、副作用を防ぐ治療法)の開発があります。 現在これまで治療できなかった疾患を含めた250を超えるバイオ医薬品とワクチンが患者に提供されており、開発中の薬剤も多数存在しています(2)


規制緩和も後押し

新薬の開発には多額の資金と時間がかかり、研究を重ねる必要があります。幸いなことに、糖尿病やアルツハイマー病といった疾患の治療に取り組んでいる企業は、世界的な規制緩和による支援を受けています。 政府はこれらの企業にインセンティブを提供、現在治療方法がなかったり医療費が高額となる疾病に対する新しい治療法の開発を後押ししています。


合併・買収

バイオ医薬品業界は依然として細分化されており、ナスダック・バイオテクノロジー指数内の企業の80%近くが時価総額50億米ドル未満です(3)

ほとんどのバイオ医薬品企業はニッチ分野の研究に焦点を当てた、初期段階の企業です。 新薬に繋がる発見は、新薬の高価な臨床試験に資金提供が可能な大手製薬会社による引き合いの対象となる傾向があります。

バイオ医薬品企業は、研究開発やイノベーションの専門知識が高く評価されているため、資金の豊富な製薬会社の魅力的な買収対象となりえます。バイオ医薬品企業の合併・買収は、投資家に高い収益をもたらすことがあります。


注:65歳以上の人口と定義しています。
出所  (1) United Nations, World Population Prospects, 2019 (2) Biotechnology Innovation Organization, https://www.bio.org/what-biotechnology, January 2021 (3) Nasdaq.com, 29 May 2020


世界の医療問題-新たな解決策を探る


ピクテは、イノベーションと新薬開発に注力するバイオテクノロジー企業に投資しています。年率7%の成長が予測される市場で最良の投資機会を捉えることを目指し、中小のバイオテクノロジー企業と大規模なグローバル・バイオテクノロジー企業の両方を分析します(1)


出所:(1) Fior Markets, Global biotechnology market analysis 2020-2027, 2021


1. 新たな行動メカニズム


科学の進歩と病理学への理解の深まりは、薬に対する新たな行動メカニズムを生み出しました。これまで試行錯誤で行っていた薬の開発プロセスは、生物学的標的の知識に基づいた「ドラッグ・バイ・デザイン(計画的な医薬品開発)」へ移行しました。

全ゲノム解読と遺伝子操作により、研究の効率や生物学を理解するスピードは向上しています。また、ビッグデータ解析により、バイオインフォマティクス企業と研究室が連携して、新しい創薬ターゲットの発見に努めています。



2. テクノロジー・プラットフォーム


技術の進歩により治療方法に革命が起きています。新しい技術により細胞、遺伝子、またはタンパク質レベルで基本的な生物学的プロセスを微調整することが可能です。また、別のルートを介して、異なる投与頻度またはより少ない副作用で治療を行うことも可能です。
新たなスクリーニングツールにより新薬候補や新薬となりうる対象の発見がより効率的になっています。



3. 古い薬の改良


古い薬には欠点があるかもしれませんが、新しい知見によって対処可能です。例えば、治療が必要な部位をより的確に捉えることで、治療効果を高めることができます。また、特定の副作用を抑えることで、安全性を高められます。

さらに、投与回数を減らし、投与方法を簡単にする(経口/経皮投与と点滴投与、在宅投与と院内投与)ことで利便性が向上し、入院期間の短縮や受診回数の減少、副作用の低減などにより、コストを削減することができます。








注:*米国食品医薬品局(FDA)
出所:(2) World Health Organization, 2019 (3) Hepatitis C University of Washington, January 2021 (4) Gilead Sciences, 2015 (5) World Health Organization, 2019 (6) The PEW Charitable Trusts, 2020 (7) Generating Antibiotic Incentives Now (GAIN) Exclusivity, US Food and Drud Administration website, May 2020 (8) The antibiotic is called teixobactin. Ling LL, Schneider T, Peoples AJ et al. A new antibiotic kills pathogens without detectable resistance. Nature 2015; 517: 455–9.


未来のヘルスケアの課題に立ち向かう

バイオ企業は、医薬品の今後の発展に非常に重要な役割を果たします。現在、不治の病とされている疾患を持つ患者や、衰弱するような病状に苦しむ人々の生活の質を改善する手助けが可能となります。ピクテの運用戦略では、こうした生活習慣病や致命的疾患を撃退する薬の開発を手掛け、それによって医療制度にかかる圧力を緩和できるようなもっとも革新的な企業を発掘することを目的としています。創造力豊かな企業環境や継続する科学的革新は、バイオ産業が長期の投資家にとって非常に魅力的な投資機会を提供しているといえるでしょう。




バイオテックに投資するiTrustシリーズのファンド




ピクテが注目するメガトレンドのカテゴリー




お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断下さい。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)


英語版:2021年10月公開
当資料はピクテ・グループが作成した資料をピクテ投信投資顧問株式会社が翻訳・編集したものです。


●当資料はピクテ・グループの海外拠点からの情報提供に基づき、ピクテ・ジャパン株式会社が翻訳・編集し、作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら


MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。