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2021年5月の基準価額動向と運用方針
2021/06/30

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概要

2021年5月のノアリザーブの基準価額(分配金再投資後)は上昇しました。コロナ禍からの世界経済の正常化期待が高まる中、株式市場は上昇しました。また金は米国金利に落ち着きが見られ、米ドル指数が下落したことなどから上昇しました。為替は円が主要通貨に対して下落しました。資産配分は、株式の組入れを削減し、キャッシュや金の組入れを増やしました。



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2021年5月の基準価額(分配金再投資後)は上昇

2021年5月31日のノアリザーブの基準価額は、前月末比で+89円の9,641円となりました。同期間の主な変動要因は、株式が-2円、債券が+13円、金が+88円、為替が+19円、分配金が-20円でした。基準価額(分配金再投資後)は前月末比+1.14%の上昇となっています(図表①参照)。なお、円資産の比率は、前月末より上昇し、59.6%となりました。

運用方針:株式を削減し、キャッシュや金の組入れを拡大

当月の投資行動は、株式の組入れを削減し、キャッシュや金などの組入れを拡大しました。

株式部分では、景気回復局面の中期段階への移行に伴って、株式の組入比率をやや引下げるとともに、よりバランスを重視した運用を目指し、一部のグロース株式をディフェンシブ性の高い銘柄にシフトしました。具体的には、コア・エクイティ・ファンド内で保有するテーマ戦略厳選企業株式や、セキュリティ関連企業株式、デジタル・コミュニケーション関連企業株式、環境関連企業株式などを一部売却しました。一方で、ディフェンシブ企業株式については、コア・エクイティ・ファンドを通じて組入れを拡大しました。

金については、市場におけるインフレ高進への懸念が高まる中で、インフレヘッジ効果などを評価し組入れを引き上げました。

ファンドのリスク(価格変動)は新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで低下        

ノアリザーブの設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移してきました。当ファンドのリスク(価格変動)水準は、新型コロナウイルスの影響で先行き不透明感が高まった2020年3月に急上昇しましたが、足元では新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで低下しています(図表②参照)。

ノアリザーブと主要資産の騰落率

2021年5月は、世界の株式市場は概ね続伸し、金は大きく上昇しました(円ベース)。

このような状況下、ノアリザーブの基準価額(分配金再投資後)は上昇しました(図表③参照)。

世界の株式市場は世界経済の正常化期待が高まる中、上昇しました。世界国債については、インフレ懸念が高まりながらも、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価上昇は一過性との見方を示したことから現地通貨ベースでは小幅な動きとなりました。金は米国金利が落ち着いた動きとなり、米ドルが下落基調となったことから大きく上昇しました。

今後の運用方針~現状のリスク水準を維持しつつ、徐々に保守的なスタンスに

今後の運用方針については、現状のリスク水準を維持しつつも、徐々に保守的なスタンスを強める方針です。

米国のインフレ懸念は引き続き警戒を要するものの、現時点では一時的な要因によるものが多く、FRBが景気を冷ますほどの金融政策の修正に踏み込む必要はないと考えられます。また、FRBはリバースレポ・ファシリティによる資金吸収を行っていますが、現時点における市場への影響は限定的であり、想定していたほどのマイナス材料になっていません。一方、世界経済の状況は引き続き良好であり、特にワクチン接種が進む英国やユーロ圏経済における景気のモメンタムは加速してきています。こうした認識に基づき、リスク資産に対するやや強気な現状のスタンスを継続しますが、引き続き米国における物価や金融政策の動向を注視していく方針です。

当面の変動には注意が必要

ノアリザーブは、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。

ワクチンの接種は広がっており、景気回復期待も高まっていますが、新型コロナウイルスの感染動向などについては依然として先行きに不透明感があります。また、マクロ経済が堅調に推移する中、米国金利などの動向が株式や債券、金、為替に大きな影響を与える可能性があります。市場の動きに配慮しつつ、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:ディフェンシブ・セクターに注目

【市場の調整に警戒】

株式市場が大幅に上昇し、下げ相場到来の可能性が意識されるなか、予防策を講じておくことが必要だと考えています。

2021年1~3月期の企業業績が極めて堅調だったことは事実です。とはいえ、2021年通年のコンセンサス予想一株当たり利益(EPS)は前年比37%増益と既に高い水準にあります(図表1)。EPSや利益率などの2022~2025年の市場予想は楽観的と見ており、市場の下落局面が到来する可能性を警戒する必要があると考えます。現在の市場環境において脆弱性や割高感が目立つ景気変動の影響を相対的に大きく受ける傾向の強い景気敏感セクターの相対的な魅力度は低下していると考えています。一方、景気変動に左右されにくいディフェンシブ・セクターの相対的な魅力度は高まっていると考えています。景気敏感セクターに対するディフェンシブ・セクターの相対パフォーマンスが優位に転じた足元の市場環境(図表2)がこうした見方を追認しています。

【市場別の見方:英国株式に注目】

先進国のなかで、割安な水準にあり、かつ新型コロナウイルスワクチンの接種が順調に進展していることなどを背景に国内経済回復の恩恵を享受する可能性が高い英国株式に相対的に大きな上昇余地があると考えています。英国では、ワクチン接種の順調な進捗を背景に、日常サービス活動に関する指標が回復基調にあります。足元の景気回復局面で相対的に大きく上昇する傾向のある金融銘柄や優良銘柄の組入れ比率が英国の代表的な株価指数に占める割合が高いことも魅力的です。

債券・為替:安全資産を堅持

【FRBの政策動向に注目】

FRBは、直近、複数の理事が繰り返し言及しているように、来年初まで金融緩和策を維持するものと考えています。また、短期金融市場(マネーマーケット)の最近の動向からも今後のFRBの政策に関する手がかりが得られると考えています。

FRBは、5月に入って、公開市場操作(マネーマーケット・オペレーション)を通じ、銀行システムから一時的に資金を吸い上げています。このことは、短期金融市場に滞留する過剰流動性を制御するというFRBが直面する課題を象徴しています。また、流動性を吸収する公開市場操作の効果を試すことを可能とし、近い将来、市場を動揺させることなく流動性の供給量の縮小を開始する可能性があることには留意が必要です。

【米国ハイイールド債のアンダーウェイトを継続】

米国ハイイールド債のアンダーウェイトを継続します。流動性が縮小する環境では従来以上に米国ハイイールド債の脆弱さが際立つと考えられるためです。米国国債との利回り格差(イールド・スプレッド)は引き続きタイトな水準に留まっています。

【中国国債をフル・オーバーウェイト】

中国国債のフル・オーバーウェイトを継続します。中国国債は米国およびユーロ圏の株式ならびに債券とのリターンの相関が低位に留まっているなど、他の主要資産との相関が低いことから、魅力的な分散効果を提供すると見ています。また、中国国債がコロナ危機下で強い回復力を示したことも注目されます。

【中国以外の新興国債券はニュートラルを維持】

中国以外の新興国債券は、ニュートラルを維持します。新興国全域でインフレ圧力が強まっており、CPIが中央銀行のインフレ目標を上回った複数の国では利上げを余儀なくされています。さらに、中国経済の減速につられ、その他の国の経済成長率が鈍化することがあれば、新興国通貨安が進行し、現地通貨建ての新興国債券に対する逆風となる可能性には留意が必要です。



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