米国トランプ政権の関税政策等の実体経済への影響は今後顕在化することが予想され、その中で米国経済が引き続き堅調に推移するという楽観的な想定には一定の警戒が必要であると考えます。一方、関税政策が現実的な内容で決着するとの見方や、米国を中心とした追加金融緩和の姿勢、さらには中東情勢など地政学リスクの後退などを背景とした株式市場の上昇トレンド（持たざるリスク）へも配慮すべきと判断します。
そのため、組入比率においては、今後、株式および金を一部引き上げ、債券を引き下げるリバランスを行い、動向を注視する方針です。株式では、新興国への地域分散を図るとともに、引き続きクオリティ株やディフェンシブ株を選好する方針です。債券では、引き続きインカム収益が見込まれる世界社債および新興国債券への投資を中心としています。為替については、主要通貨に対する相対的な円安リスクに配慮すべく円資産比率を引き下げることを検討します。金については中長期的に見て戦略的な資産クラスの位置づけであるという判断に変更はありません。

2025年6月の基準価額の移推

2025年6月30日の当ファンドの基準価額は、前月末比123円上昇（+1.2%）の10,406円となりました。

 

運用状況

2025年6月は、現地通貨ベースでは世界株式、新興国株式、米ドル建て新興国国債、世界投資適格社債、世界国債などが上昇した一方、金は下落しました。また為替は円がドルなどの通貨に対して下落しました。

 

資産配分比率

当ファンドは、株式、債券、金の組入比率の変更だけでなく、株式部分、債券部分それぞれが、特徴の異なる複数のファンドを投資対象としており、投資先ファンドの比率を変更することで、投資環境にあった細やかな運用を行っています。

2025年6月現在は、株式と金をそれぞれ30%程度、債券を20%程度、組入れています。

 

主な投資行動と振り返り

2025年6月は、キャッシュ・短期金融商品等、金の組入比率を引き上げ、債券、株式を引き下げました。また円資産比率（円建て資産と円ヘッジの外貨建て資産比率）は2025年4月以降、50%を超える水準となっています。

 

運用チームの着眼点

・米国トランプ政権の関税政策等の実体経済への影響は今後、顕在化する可能性

・一方、関税政策が現実的な内容で決着するとの見方や、米国を中心とした追加金融緩和の姿勢、さらには中東情勢など地政学リスクの後退などを背景とした株式市場の上昇トレンド（持たざるリスク）へも配慮すべきと判断

 

設定来の基準価額の推移

 

基準価額変動要因分析

基準価額の変動要因の内訳は、1）～3）市場要因（価格、金利、信用力等の変化による株式、債券、金の変動要因）、4）為替要因、5）分配金要因、および、6）その他です。

 

ご参考｜当ファンドと主要資産のリスク・リターン特性