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- 足元のグローバル株式市場|道半ばの「グローバル・ローテーション」
株式市場では、過去3ヵ月間、グローバル・ローテーションの動きが続いています。こうした動きは当面続くとみられ、1つの大きな投資テーマに固執することなく、国・地域やセクターなどの分散を考慮することがより重要になると考えられます。
「グローバル・ローテーション」が続く
株式市場では過去3ヵ月、「グローバル・ローテーション」(米国だけでなく、グローバル株式市場での物色動向の大きな変化)の動きが続いています。これまでのところ、このローテーションは企業利益の見通しの変化というより、株式のバリュエーション(投資価値評価)の水準調整に起因しているとみられます。
このようなバリュエーション水準の調整は、様々な要因がカタリストとなって生じていると考えられます:
1) 米国のテクノロジー関連やAI(人工知能)エコシステムに、資本が集中することへの警戒感の高まり
- 米国テクノロジー企業が、財務が軽量なビジネスモデルから、資本集約型に変容することで、クオリティの低下(レバレッジ増加/経済感応度の上昇)が懸念される
- 価値創造の明確な証拠なしに、資本構造に負債を追加させると、企業価値は変わらないため、株式部分の評価を引き下げる必要がある
- テクノロジー企業が自社株買いを通じて株式の供給を縮小する一方で、投資適格債や私募債の発行を増加させていることで資本の奪い合いの様相が懸念される
2) グローバル経済は、「スタグフレーション(景気後退とインフレの同時進行)」ではなく「景気拡大」の可能性が高まる
- 緩和的な財政、金融、規制政策の稀な組み合わせが、景気拡大を後押しすると期待される
- 金融緩和が実体経済に浸透し続け、さらなる緩和の可能性もある(ただし、ウォーシュ次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長候補が実際に就任した後の政策金利とバランスシートの動向については不透明)
- AI関連など長期的な成長が見込まれ勝ち組とみられている分野のなかでも、銘柄格差が拡大しつつあるため、こうした一部の分野へ投資を継続する機会費用は、これまで以上に高くなっている
3) 米国の政策不確実性、財政優位によるフィアット通貨(金や銀など実物資産との交換保証を持たず、政府(または中央銀行)の信用によって価値が支えられている法定通貨)の価値低下への懸念、米ドル基盤の金融システムの武器化の継続
- 国境を越えた資金フローの変化を示す明確な証拠はないものの、セクター調整後の米国株式の相対的なバリュエーション水準は明らかに切り下がっている
- 通貨価値の低下と米ドルの武器化は、これまで安全資産とされてきた米国債ではなく、金(ゴールド)への投資需要の増加という形で表れていると考えられる
足元でみられるグローバル・ローテションには、相対バリュエーションにおいて、テクノロジー銘柄の他セクターに対するプレミアムの低下、米国の超大型株の市場平均に対するプレミアムの低下、セクター調整後の米国株式の他の主要国・地域株式に対するプレミアムの低下などのほか、パフォーマンスの面でバリュー株のグロース株に対するアウトパフォーム、米国の小型株の大型株に対するアウトパフォーム、などが含まれます。
これらの動きは同じような要因に起因するものです。そのため、2016年ヵら2018年の間にみられた、「米国/テクノロジー例外主義」トレードの前の水準、あるいは長期の平均的なトレンドへの回帰としてとらえることができるかもしれません。足元までで、こうした回帰の動きは半分程度完了したのではないかと推定されます。
グローバル株式への投資のインプリケーション
今後も当面、株式のバリュエーション水準に起因したグローバル・ローテーションの動きは続く可能性があります。そうしたなかで、1つの大きな投資テーマに固執することなく、例えば、米国以外の国・地域の株式への分散も考慮すべきタイミングであると考えられます。また、グロース株だけでなく、バリュー株などにも目を向けるべきかもしれません。
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