メジャー|グローバル株式市場の現状~イラン情勢を巡る不確実性が重荷~
●2026年3月のグローバル株式市場は、イラン情勢の激化を受けて大きく下落
●イラン情勢を受けた原油などエネルギー価格の高騰が、グローバル経済の見通しに影を落としている
●戦争がどのように、あるいはいつ終結するかを見極めることは困難であり、当面は値動きが大きい展開に警戒しつつ、慎重に動向を注視することが肝要
イラン情勢を巡る不確実性が重荷
2026年3月のグローバル株式市場は大きく下落しました。2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃し、現在中東全域で戦争が激化しており、石油から食料まであらゆるものの世界的な供給を脅かし、世界的なスタグフレーションの可能性を高めています。
原油価格が急騰し、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以来の1バレル=100米ドルを突破する局面もあり、大きな値動きがみられました。その結果、グローバル株式市場をセクター別にみると、エネルギーセクターのみが前月末比でプラスとなりました。一方、素材や資本財・サービスなどの下落率が相対的に大きくなりました。 ※すべて米ドル、配当込みベース
グローバル経済の見通し ~米国について市場コンセンサスはやや楽観的過ぎる?~
米国は現在完全にエネルギー自給自足を達成しているため、イラン戦争によって引き起こされた原油価格の急騰からほぼ影響を受けないという見方が一般的ですが、こうした見方は楽観的過ぎると考えられます。まず、原油価格はグローバルなものです。米国が自国の需要をカバーしているからといって、ガソリンやその他の燃料価格が上昇していないわけではありません。
同時に、最初の爆撃が行われた時点で、米国経済はすでに減速しており、非常に低い貯蓄率が成長を支えられない状況にあるとみられていました。その結果、スタグフレーションのリスクが高まっています。米国のインフレ率については、市場コンセンサス(2.7%)を上回ることが懸念されます。また、経済成長率については、市場コンセンサス(2.5%)を下回る可能性があるとみています。
一方、欧州は市場が予想するよりも回復力があると思われます。確かに、単一通貨圏は石油輸入に依存していますが、欧州経済は米国よりも石油依存度が低く、エネルギー需要の相当部分を再生可能エネルギーでまかなっています。
新興国市場も2022年の原油価格急騰時よりも安定しているとみられます。先進国市場に対する成長率格差の予測は大きく変わっておらず、新興国のインフレは中央銀行の目標範囲内にとどまると予想しています。石油需要の4分の1以上がホルムズ海峡を通過する中国でさえ、豊富な石油備蓄のおかげで比較的安全な立場にあると考えられます。
当面は、値動きの大きい展開が続く可能性に警戒
グローバル株式市場には、イラン情勢を巡る不確実性が重くのしかかっています。トランプ米大統領のSNSへの投稿が市場を様々な方向へ、しばしば激しく揺さぶっています。米国がホルムズ海峡(世界の石油供給の20%が通過)の通航再開についてイランと交渉を進めていると伝えられる一方で、同地域で米軍の軍事的プレゼンスを強化していることも示されています。また別の日には、米国が爆撃作戦を拡大すると発表した後、縮小すると言い直すこともあります。このような環境は、「前例」が通用しないとも懸念されます。
この紛争がどのように、あるいはいつ終結するかを見極めることは困難であるため、当面は値動きの大きい展開が続く可能性に警戒し、慎重に動向を注視していくことが肝要であると考えられます。
なお、情報技術セクターについては、ここ最近の株価の大幅な調整により、バリュエーション(投資価値評価)水準は低下しています。一方で、データセンターやデジタル・インフラへのAI(人工知能)関連投資は引き続き堅調で、こうした投資が、ハードウェアや半導体需要の拡大を支えると期待されるなど、ファンダメンタルズ(基礎的条件)は良好であるとみられます。
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