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中国の不動産・金融市場の見方と新興国投資戦略
2023/08/23

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概要

●破産法の適用申請をした中国恒大集団、破綻が懸念される碧桂園控股などの保有はなし
●市場の不透明感が強まっているため、金融や不動産セクターへの慎重姿勢が必要
●新興国の成長見通しには変更がなく、新興国は中長期的に先進国の成長を上回ると予想



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■ 中国不動産大手の破綻

8月17日に、中国不動産大手の中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)が米連邦破産法15条の適用を申請し、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)がデフォルト(債務不履行)の危機に瀕するなど、不動産市場は引き続き流動性がひっ迫し、市場では先行き不透明感が強まっており、株式市場のマイナス要因となっています。

■ 破産法の適用申請をした中国恒大集団、破綻が懸念される碧桂園控股などの当ファンドの保有はなし

当ファンドでは破産法の適用申請をした中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)(※2023年8月17日時点)、破綻が懸念される碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)(※2023年8月14日時点)、遠洋集団控股(シノ・オーシャン・グループ・ホールディング)(※2023年8月17日時点)の当ファンドの保有はありません。

■ 市場の不透明感が強まっているため、金融や不動産セクターに慎重姿勢が必要

現時点では、一連の中国恒大集団の破綻法適用申請や碧桂園控股などのデフォルトの可能性が金融システムにシステミック・リスクをもたらすとは考えていませんが、市場の不透明感が続いていることが懸念されることから、金融や不動産セクターへの投資には慎重姿勢が必要と考えます。

■ 中国不動産大手の危機の背景

中国では、2021年の引き締め的政策と新型コロナウイルスの感染拡大に起因する2022年末までの厳格なロックダウン措置の後で不動産市場が鈍化し、複数の民営不動産デベロッパーがデフォルト(債務不履行)に陥るなど、同国の不動産市場は大きく揺らいでいます。中国の住宅市場を安定化させるとする政府表明を受けて市場参加者の間ではより積極的な政策支援への期待が高まっていますが、全般的にぜい弱であるマクロ環境下において消費者マインドが弱い状態であるため、これまでの断片的な措置では住宅市場の減速トレンドを食い止めることは殆どできておらず、今後の政策効果は不透明です。

■ 中国の銀行セクターは割安だが、当面慎重な見方を継続

中国の銀行セクターは割安で、配当利回りは高い水準にあるとみてはいますが、引き続き慎重な見方をしています。リスク要因として、中国では多くの融資平台(LGFV、地方政府のインフラ投資会社)の財務状況が悪化していることが挙げられます。LGFVは銀行から融資期間の延長や適用金利の引き下げを受ける可能性が高くなっています。これに加えて、特に住宅ローンを中心に全体的に金利引き下げ圧力がかかっていることは、今後数四半期にわたって銀行の純金利マージン(NIM)を圧迫する可能性が高く、銀行の収益性に対する懸念が高まっており、この点で特に慎重な見方をしています。

■ 引き続き投資機会があるとみる

中国の景気回復にはばらつきがあり経済活動の再開は順調には進んでいない状況で、消費者のマインドは停滞していますが、その一方、業績が堅調な企業は存在し、引き続き投資機会は十分にあると考えています。また、同国はデジタル化やテクノロジー、環境の改善といった重要なテーマを今後けん引していく存在であると引き続き考えています。

長期的には、新興国経済は、若い労働人口が豊富であることなどを背景に、中間所得層の持続的な拡大や構造変化に後押しされ、先進国を凌ぐ成長力を有しているとの見方には変更ありません。

新興国株式のバリュエーション(投資価値評価)は、先進国株式に比べて依然として魅力的な水準にあるとみています。

当ファンドの投資対象は、様々な新興国や業種に分散投資しています。コロナ後の経済再開への期待が高まる一方、物価の高止まりによる景気後退懸念も台頭しています。こうした市場の不透明感が強まる局面では、分散投資が重要と考えます。



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