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- 2025年5月の新興国株式市場
5月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で上昇となりました。
※記載内容はすべて海外市場の月末1営業日前ベースでのコメントになります。
新興国株式市場は月初、トランプ関税による米国経済や世界経済への影響を見極めようとする慎重な動きがあるなかで、貿易交渉の行方に対して楽観的な見方などが支えとなり、底堅く推移しました。その後、中旬にかけては、米国と中国が貿易協議の結果、相互の関税率を一定期間引き下げることで合意したことなどを受けて安心感が広がり、上昇基調となりました。また、4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びにとどまったことや、米小売売上高の減速などを受けて米金融当局による利下げ観測が強まったことも、新興国株式市場にとって追い風となりました。月後半は、米国の債務状況悪化に対する懸念や、中国で小売売上高など一部の経済指標が鈍化を示したことなどが株価の重荷となり、一進一退の展開となりましたが、月間では上昇となりました。
国別、セクター別
国別では、台湾は、米中貿易交渉の進展や米国政府によるAI(人工知能)向け半導体規制の緩和報道などを受けて、主力の情報技術セクターの銘柄を中心に上昇しました。韓国は、米中貿易交渉の進展を背景としたハイテク株高の流れが追い風となったほか、米韓貿易交渉の進展や景気刺激策への期待なども加わり、上昇しました。中国は、中国人民銀行(中央銀行)による政策金利と預金準備率を引き下げる一連の金融緩和や、米中貿易交渉の進展により米中対立懸念が後退したことなどを受けて、上昇しました。南アフリカは、主力のインターネット関連企業や、素材セクターを中心に上昇しました。インドは、月初めにパキスタンとの武力衝突激化への懸念から下落する局面もありましたが、即時停戦で合意したことを受けて反発しました。その後、月後半にかけても、米国とインドの貿易協定締結への期待や、4月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことでインド準備銀行(中央銀行)による追加利下げ期待などが下支えとなりました。ブラジルは、上昇しましたが、財務省が財政赤字の穴埋めに向けた海外投資に対する金融取引税(IOF)の税率引き上げを発表したことや、その後、この発表は資本規制の復活につながるとの批判を受けて撤回されたものの、代替案が検討されていると伝わったことなどが重荷となり、上昇率は相対的に小幅にとどまりました。
セクター別では、資本財・サービス、情報技術、コミュニケーション・サービスなどの上昇率が相対的に大きくなりました。一方、不動産、生活必需品、公益事業などは下落しました。
(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)
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