Article Title
2025年8月の新興国株式市場
2025/09/02

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

8月の新興国株式市場(現地通貨ベース)は月間で上昇となりました。
※記載内容はすべて海外市場の月末1営業日前ベースでのコメントになります。



Article Body Text

新興国株式市場は月初、7月の米雇用統計で雇用者数の伸びが鈍化したことから、米国の労働市場の冷え込みに対する懸念が高まったことや、トランプ米大統領がロシア産原油購入国に対する関税引き上げを表明したことなどが重荷となり、やや低調なスタートとなりました。その後、米利下げ観測の高まりや、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の首脳会談により地政学リスクが後退するとの期待などが下支えとなり、上昇基調となりました。月半ばには、米中が互いに一時停止中の関税措置について、停止期間をさらに90日間延長すると発表したことや、中国当局が一部サービス業や個人に対する借入れ負担軽減措置の方針を示したことなども追い風となりました。月後半、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容がハト派的に受け止められたことなどを受けて、一段の上昇となりましたが、月末には反落しました。ただし、月間では上昇を維持して月を終えました。

国別、セクター別

国別では、ブラジルは、米利下げ期待や米ドル安などが追い風となり、上昇しました。南アフリカは、好決算や資源価格の上昇などが好感された素材セクターの銘柄を中心に、上昇しました。台湾は、米ハイテク株高の流れなどを受けて主力の情報技術セクターの銘柄を中心に、上昇しました。中国は、米中の貿易協議の進展期待や景気下支えに向けた政策期待などが追い風となり、上昇しました。インドは、モディ政権がトランプ関税の影響を緩和するため、物品・サービス税(GST)の引き下げを発表したことを受けて、消費関連セクターは上昇しましたが、月末にトランプ米大統領が、25%の相互関税に加えて、ロシア産原油購入を理由とした追加25%を上乗せし、最大50%の関税率引き上げを予定通り発動し、米国との貿易対立を巡る懸念が重荷となり、全体では下落となりました。韓国は、直近数ヵ月、株価が急上昇していたこともあり、8月は反落しました。

セクター別では、コミュニケーション・サービスが相対的に大きく上昇したほか、素材、情報技術なども上昇しました。一方、ヘルスケア、エネルギー、不動産などは下落しました。

(※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。)


●当資料はピクテ・グループの海外拠点からの情報提供に基づき、ピクテ・ジャパン株式会社が翻訳・編集し、作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。




関連記事


より機能性が求められる定番食品

テーマ株式運用30年の歩み

医療の中心にあるイノベーション

堕天使を捉える: 社債の格下げ時に生まれる投資機会

生物多様性への投資:自然関連リスクの管理と投資機会の活用

新興国社債市場に好機到来か