日銀の主な意見で、金融政策の再確認 | ピクテ投信投資顧問株式会社

日銀の主な意見で、金融政策の再確認 梅澤利文 アジア

日本銀行(日銀)の6月15、16日の金融政策決定会合の内容は既に報道されている通り、金融政策は現状維持で、新型コロナ対応のうちの「特別プログラム」の総枠を、従来の75兆円から約110兆円+αへ引き上げました(図表1参照)。当レポートでは、「主な意見」を参考に日銀の金融政策を振り返ります。

日銀金融政策決定会合における主な意見:コロナ対応の政策は概ね出揃う

 日銀は2020年6月15、16日に開催した金融政策決定会合における主な意見(主な意見)を24日に公表しました。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための政策措置はおおむね出そろったとし、当面は一連の政策効果を確認・検証することが望ましいとの姿勢が示されています。

どこに注目すべきか:主な意見、特別プログラム、110兆円+α

 日銀の6月15、16日の金融政策決定会合の内容は既に報道されている通り、金融政策は現状維持で、新型コロナ対応のうちの「特別プログラム」の総枠を、従来の75兆円から約110兆円+αへ引き上げました(図表1参照)。当レポートでは、「主な意見」を参考に日銀の金融政策を振り返ります。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日銀は3月以降の会合3回(3月前倒し開催、4月、5月は臨時開催)ではコロナ対策として追加金融緩和策などを拡充してきました。例えば、3月は上場投資信託(ETF)買入れの年間目標額を12兆円に倍増、4月は国債の購入制限を撤廃、5月は資金繰り支援特別プログラムを75兆円規模で導入しました。

 日銀の新型コロナ対策の3本柱は①企業等の資金繰り支援、②金融市場安定化、③ ETF等の買入れです(図表1参照)。6月の「主な意見」では、新型コロナに対する政策措置はこれまでの対応で一応出揃ったと述べると共に、今後は実施を通じて確認検証する段階と位置づけています。

 なお、「主な意見」には特別プログラムの総枠が第2次補正予算による民間金融機関を通じた無利子・無担保融資の拡充などにより、約110兆円にまで大きく拡大していると書かれています。細かい話ですが、6月15,16日の会合の声明文には110兆円は記されていません。形式的には日銀が決定する(政策委員の議決を伴わない)ことではないからです。

 しかし、より大切なのは、資金繰り支援は財政政策との共同作業であるという認識でしょう。黒田日銀総裁は会合後の会見で特別プログラムの拡大は、第2次補正予算で無利子・無担保融資を中心とする特別融資制度の事業規模が28兆円強拡充されること、加えて、特別オペのオペ先が従来に比べて倍増すると説明しています。

 なお、今回増額された特別プログラムのうち、新たな資金供給(適格融資の残高を限度に、共通担保で期間1年以内、利率0%で資金供給)の利用残高は、日銀の当座預金のうちのゼロ金利が適用されるマクロ加算残高に計上されることから、今後の推移に注目しています(図表2参照)。

 最後に、「主な意見」で物価の項目を見ると、意見が5つ記載されています。全ての意見が、少なくとも短期的には物価が低下する可能性を指摘し、デフレを懸念する声も見られます。一方で、景気改善に伴い中長期的な物価上昇予想も見られます。物価動向への懸念は相対的に低いと見られ、当面の金融政策は、新型コロナ対策に向けた枠組みを柔軟に活用しての企業の資金繰り支援と金融市場安定が重視され、物価については当面見守る姿勢に留まると思われます。

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