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クレジット⑧ クレジット投資のリスク① : 価格変動リスク
2019/10/03

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概要
  • クレジット投資における価格変動リスクとは、利回りの上昇/下落によって価格が下落/上昇するリスクです。特にクレジット投資の場合、発⾏体の破綻懸念および想定される弁済率によって、クレジット商品の価格が大きく変動することに注意が必要です。
  • また、デフォルト時には、投資しているクレジット商品の信⽤リスクの水準や弁済順位によって、大幅な価格下落となる可能性があります。実例を紹介します。



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トイザラスのハイイールド社債とバンクローン

トイザラスは世界最大の玩具小売チェーンで、2012年に過去最⾼の売り上げを記録しました。その後は、通信販売業者等との競争が激化し、5年連続の減収となり、2014年以降4年連続の⾚字決算となっていました。結局、2017年9月に経営破綻に追い込まれました。
経営破綻以降の同社のハイイールド社債とバンクローンの値動きを⾒ると、担保付で弁済順位の⾼いバンクローンの値下がりは70台から40台と限定的でした。一方、ハイイールド社債の価格は100から30程度まで一気に下がった後は、短期間に上下する展開となりました。これは社債の弁済率の⾒通しが変わることによって社債価格が変動し、最終的に16程度まで落ち込みました。
このように、クレジット商品の種類によって破綻時の弁済率に大きく差が出ることに注意が必要です。


 

タカタの社債

タカタ株式会社は、⾃動⾞安全部品の世界的なメーカーであり、2011年当時エアバッグやシートベルトはそれぞれ世界市場のシェアが20%程度を占めていました。
一方、2008年頃よりエアバッグの不具合による死亡事故が発⽣し、リコールの累計台数が2014年には1,700万台に達しました。
この問題によって、タカタは最終的に経営破綻に追い込まれましたが、問題が深刻化するにつれて信⽤格付が引き下げられ、タカタの社債の価格も大きく上下する展開となりました。最終的に破綻が決まった後、債券価格は7円程度まで下落しました。
タカタのようにリコールによる賠償責任を負わされたケースでは、社債の回収率も極めて低くなることがあります。


出所:ブルームバーグのデータを使⽤してピクテ投信投資顧問作成
※記載された銘柄はあくまで参考として紹介したものであり、その銘柄・企業の売買を奨励するものではありません。データは過去のものであり、将来の運⽤成果等を⽰唆あるいは保証するものではありません。


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
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●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

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