Article Title
環境変化確認編(3)<債券利回りの低下による債券リターンの低下>
2021/03/05

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

投資開始時の債券利回りの水準はその後の債券リターンを大きく左右します。今後のバランス運用やリスクを抑えた運用においては、債券投資環境の大きな変化を踏まえた対応が必要となります。




Article Body Text

ギリシャ国債とポルトガル国債

欧州債務危機を挟んだギリシャ国債とポルトガル国債の状 況を振り返ってみましょう。図表1はギリシャ国債で、赤い折 れ線グラフが国債利回り、青い折れ線は3年遅行させた3年 リターンです。 赤い折れ線が高い時、つまり利回りが高い時には青い折れ 線が表すその後3年間のリターンも高く、更に、利回りが低下 する局面ではリターンがより大きくなっています。一方、利回 りが低い時はその後3年のリターンが低く、更に利回りが上昇 する局面ではリターンがより小さくなっています。 図表2はポルトガル国債ですが、図表1のギリシャ国債と比較 すれば変動幅は小さいですが、それでも低利回り時に投資 開始し、その後、急激な利回り上昇があった場合、リターン は大きなマイナスとなっていることがわかります。

図表1:ギリシャ国債利回りと3年リターンの推移(期間:2000年~2017年)

 

図表2:ポルトガル国債利回りと3年リターンの推移(期間:1995年~ 2017年)

ギリシャ国債:FTSEギリシャ国債指数、ポルトガル国債:FTSEポルトガ ル国債指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

日本国債と米国債

図表3は日本国債、図表4は米国債の利回りと3年遅行の3 年リターンの推移を表したグラフです。日本国債も米国債 も時の経過とともに波を打ちながらリターンが低下してきて いることがわかります。 これは、過去、得られてきたクーポン収入が減少し、利回り 低下余地も限定的であり、将来の金利上昇に対して脆弱 な状況であるということを示唆しているように思われます。

債券低利回り下での対応

今後のバランス運用やリスクを抑えた運用においては、債 券投資環境の大きな変化を踏まえた対応が必要となりま す。債券利回りが低い水準で債券投資を開始し、その後 の債券利回りが上昇するとリターン低下を余儀なくされま す。 これまでは債券の組入比率を高めることでリスクを抑えると いう手法が多く使われてきましたが、今後は債券の組入れ 比率を高める以外の手法でリスクを抑えるアプローチが必 要になってくると考えられます。

図表3:日本国債利回りと3年リターンの推移 (期間: 1985年~2017年)

 

図表4:米国国債利回りと3年リターンの推移 (期間: 1985年~2017年)

日本国債:FTSE日本国債指数、米国国債:FTSE米国国債指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら