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実践的基礎知識 環境変化確認編(5)<各資産間の相関の変遷>
2021/04/02

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概要

各資産間の相関の変遷
リーマンショックのような金融市場の混乱時には、平時には分散効果のあった資産が、一時的に各資産間の相関が高まり分散効果が薄れる場合があります。リーマンショックのような下落局面で下値抵抗力を持ち、下落しにくいポートフォリオを構築するためには、こうした特性を理解し、大きな環境変化が起こることを認識して対応する必要があります。




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各資産間の相関の高まり

前回のBASEレポートでは、どの通貨建てで計測するかに よって各資産間の相関は異なるため、各資産間の相関を見 る際には、どの通貨建てでデータを取得するかが非常に重 要、とご説明しました。 また相関係数はいつ計測するかによっても異なります。リー マンショックのような金融市場の混乱時には、平時には分散 効果のあった資産が、一時的に各資産間の相関が高まり分 散効果が薄れる場合があります。 例えば、①のリーマンショック前の先進国株式と日本REITは 相関係数が0.25と分散効果が期待できます。しかしながら、 ②のリーマンショックから欧州債務危機では、相関係数が 0.69と、0.43も高まっています(図表1)。

図表1:期間別相関係数①

下値抵抗力を持つポートフォリオの構築には

次に、2012年以降の金融相場時の各資産間の相関係数 を確認しましょう。一時的に相関が高まっていた先進国株 式と日本REITの相関係数は0.42となり、0.27低下しました (図表2)。このように金融市場が落ち着きを見せると再び 元に戻っていく傾向があります。 リーマンショックのような下落局面で下値抵抗力を持ち、下 落しにくいポートフォリオを構築するためには、こうした特 性を認識して、キャッシュの配分変更を行うなどの手法で 対応する必要があります。 また過去の値動きの相関係数などを使って資産の特徴を とらえ、その組み合わせを考える場合、忘れてはならない のは、過去のデータが示すのはあくまで「過去」の世界で あり、投資は「未来」に向かって行うものだということです。 過去の相関係数などのデータが必ずしもこれから先も当て はまるとは限らないことを念頭におき、「未来」のことは分か らないにしても、「過去」と「現在」の違いを確認することは できます。少なくとも「現在」既に目の当たりにされている 「過去」との違いは十分考慮に入れたいポイントです。

図表2:期間別相関係数②



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