ピクテ・ゴールド|中東情勢の激化に伴う金価格下落の背景について
・原油高に伴う米国の利下げ観測の後退が金価格の主な下落要因に
・金の中長期的な資産価値の保全手段としての需要は不変であると考えられる
イランとイスラエルを中心に中東での紛争が長期化し、両国間のみならず周辺の湾岸諸国にも攻撃が波及するなか、金価格が大きく下落しています。
過去、地政学リスクが高まる局面では、「質への逃避」先として金に資金が集まりやすい傾向がありました。しかし、今回の中東情勢では、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖され、原油価格が急騰したことが、市場の構図を変化させたとみられます。
原油高によってエネルギーや石油化学製品全般、さらには物流コストまで上昇し、世界的にインフレが加速するとの懸念が広がっています。これにより、米国で利下げ観測が後退し、長期金利が上昇したことに加え、米ドル高となったことが金価格の下押し要因になったと考えられます。
中東での紛争の先行きについては依然として不透明感が強いことから、金価格は当面の間、不安定な値動きとなる可能性があります。一方で、金の「中長期的な資産価値の保全手段」としての需要は不変であると考えられることから、景気の悪化などに伴う利下げ観測の台頭によって米国金利が低下した場合や、財政出動に伴う政府債務問題の悪化が懸念される場合などにおいては、金への選好が高まることで、金価格の上昇要因になると考えられます。
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