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新興国株式の重石となっていた資源価格に回復の兆し
2020/07/10

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概要

2020年前半の新興国株式は下落し、先進国株式に対しても劣後する結果となりました。しかし、新興国株式は足元で下げ幅を縮小しています。この背景の一つには、中国をはじめ世界的な経済活動の再開などを背景に商品価格の底打ち・反発の兆しがみられることがあると考えられます。



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2020年前半の新興国株式は下落、しかし足元で下げ幅を縮小

2020年前半(1~6月)の新興国株式は、円換算ベースで-10.3%の下落となりました。また、先進国株式(同-6.2%)に対しても劣後する結果となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界経済や企業業績に対する懸念の高まりから、3月後半にかけて世界的な大幅株安となる中で、新興国株式市場も大きく下落したことが響きました。

しかし、足元では市場の動きに変化もみられています。年初から2020年7月7日までをみると、新興国株式は‐4.9%(円換算ベース、配当込み)と年初来からの下げ幅を縮小しています。

注:上記の新興国株式、先進国株式のパフォーマンスについて、新興国株式のパフォーマンスはMSCI新興国株価指数(配当込み)、先進国株式のパフォーマンスはMSCI世界株価指数(配当込み)を円換算して算出。

 

新興国株式・通貨の下落の背景の1つは、商品価格の下落

2020年年初来で新興国株式・通貨が下落した背景の一つには世界的な景気減速により需要減少が懸念された原油やその他の資源価格が大きく下落したことがあると考えられます。資源国の株式・通貨は全ての国ではないにしても、相対的に下落幅が大きくなりました。

過去の実績では、新興国株式と商品価格(≒資源価格)には連動性がみられてきました。新興国株式の代表的な株価指標であるMSCI新興国株価指数の構成国をみると、約10年前(2000年6月末)にはブラジルやロシア、南アフリカなどの資源国が全体の4割強を占めていましたが、近年は中国の構成比の拡大などの影響もあり、足元の資源国の構成比率は2割強と小さくなっています。

しかし、資源国の構成比率が小さくなっても、その他の国、例えば中国などの工業国は経済活動を行う上でこうした資源を大量に消費していることもあり、依然として新興国株式全体と商品価格にはある程度の連動性がみられます。


こうしたことから、商品価格の動向は新興国株式を見る上で重要な指標の一つと考えられます。

 

商品価格は底打ち、反転の兆し

年初来で下落している商品価格ですが、足元で底打ち・反転の兆しも見え始めています。この背景の一つには、新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した中国が他国に先駆けて経済活動を再開し、資源需要が回復し始めていることなどがあると考えられます。

新型コロナウイルスの感染拡大が再び加速し、経済活動の再度停滞・停止の可能性も残されており、先行きについては十分注視していく必要があると考えられますが、現時点では概して欧米をはじめ世界的に経済活動の再開の動きがみられていることから、世界的な景気回復期待などもあり、商品価格の追い風となっているとみられます。

商品価格の回復の兆しを受けて、主要資源国の株式・通貨も反発しています。こうした動きは、新興国株式が足元で年初来からの下落幅を縮小していることの背景の一つと考えられます。


 

資源国株式のバリュエーション水準は魅力的な水準


また、資源国株式については新興国の中でも割安感が強いと考えられます。資源国株式市場の平均株価純資産倍率(PBR)をみると、過去平均(期間:1995年12月末~2020年6月末)から見て割安水準にあります。こうした割安感は今後も株価の下支え要因になると期待されます。

 

新興国株式全体のバリュエーション水準も依然として魅力的な水準

新興国株式全体の株価純資産倍率(PBR)も、足元の株式市場の反発を受けて上昇が見られますが、依然として過去平均(期間:1995年12月末~2020年6月末)近辺にあり魅力的な水準であるとみられます。

過去の実績では、低PBRを付けた後その後5年間の投資リターンは相対的に好リターンが得られました。

足元では依然として新型コロナウイルスの感染拡大状況が懸念されることに加えて、米中対立や地政学リスクなどの可能性も残されて懸念材料は尽きませんが、過去の実績を考慮すると、中長期的に見れば株価パフォーマンスの回復も期待できると考えます。



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