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米国株式投資戦略 ~政府機関閉鎖が怖い理由~
田中 純平
2019/01/23

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概要

米国では2019年会計年度の連邦政府つなぎ予算が期限切れとなり、昨年12月22日から一部政府機関閉鎖となっています。事の発端は、トランプ大統領がメキシコ国境沿いの「壁」建設予算を巡って、野党民主党と対立したことです。政府機関閉鎖は実体経済への悪影響のみならず、米国債の格下げリスクに発展しかねず、潜在的な株安材料として警戒が必要です。



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政府機関閉鎖期間は過去最長を更新し、前人未到の領域に。政府機関閉鎖が長引けば景気への悪影響はさらに高まる可能性 

政府機関閉鎖が過去最長を更新し、米国経済に対する悪影響が懸念される中、米国株式市場は今のところ平穏を保っています。その理由としては、過去の政府機関閉鎖時におけるS&P500指数のリターンが、概ね横ばいだったことが影響している可能性があります(1981年以降の全閉鎖期間のS&P500平均騰落率は+0.48%)。しかし、1981年以降の平均閉鎖期間は約5日だったのに対し、今回は1月22日時点で32日間に及んでおり、さらに長引く可能性もあります。一般的に、政府機関閉鎖の影響は限定的だと解釈されますが、「長引けば経済データに明確に表れるだろう」とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が懸念を示しているように、長期化すれば実体経済への波及効果が増大するリスクがあります。米大統領経済諮問委員会(CEA) は「政府機関閉鎖はGDPを1週間ごと0.13%引き下げる」と試算しており、これまでの「2週間ごとに約0.1%引き下げる」との試算からその影響度合いを引き上げています。しかし、さらに警戒すべきは米国債の格下げリスクです。メキシコ国境沿いの壁建設予算を巡る、トランプ大統領と民主党との対立は混迷を極めており、このまま長引けば連邦債務上限の引き上げ協議まで影響を及ぼし、米国債の格付けが引き下げられる可能性があるからです。 

 

連邦債務上限の引き上げ協議まで難航すれば、米国債の格下げ→株安シナリオも 

2011年当時、米国連邦債務上限の引き上げ問題が生じた時は、格付け会社S&Pが米国債格付けをAAAからAA+ へ一段階引き下げ、「世界同時株安」をもたらしました。一方、格付け会社のフィッチ・レーティングスは2011年に米国債格付けを最上級格付けで維持したものの、このまま連邦債務上限の引き上げ協議が難航すれば、今回は米国債を格下げする可能性があると警鐘を鳴らしています。政府機関閉鎖は景気下振れ要因だけでなく、米国債の格下げ要因にもなりかねないため、潜在的な株安材料として警戒が必要です。 

 


田中 純平
ピクテ・ジャパン株式会社
投資戦略部長

日系運用会社に入社後、主に世界株式を対象としたファンドのアクティブ・ファンドマネージャーとして約14年間運用に従事。北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードの受賞歴を誇る。ピクテ入社後はストラテジストとして主に世界株式市場の投資戦略等を担う。ピクテのハウス・ビューを策定するピクテ・ストラテジー・ユニット(PSU)の参加メンバー。日経CNBC「朝エクスプレス」、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、BSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」に出演。週刊エコノミスト「THE MARKET」で連載中。日本経済新聞やブルームバーグではコメント多数引用。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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