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- 米長短金利差が逆転 70年代のスタグフレーション前夜を振り返る
景気後退の予兆とも言われる米国の長短金利差(米10年国債利回りと米国2年国債利回りの差)が逆転する現象(逆イールド)が3月29日のザラ場で瞬間的に発生し、4月1日はいよいよ終値ベースでも逆イールドとなった。そこで、今回はスタグフレーションが起こった1970年代における米長短金利差とS&P500指数の推移を振り返り検証を行う。
70年代においても米長短金利差の逆転が景気後退のシグナルに
米10年国債利回りと米国2年国債利回りの差である長短金利差が3月29日のザラ場で瞬間的に逆転する現象(逆イールド)が発生し、4月1日にはついに終値ベースでも逆イールドとなった。この逆イールドは米国の景気後退の予兆とも言われており、80年代以降の経験則では逆イールドが発生した時点からおよそ1~2年後に景気後退を迎えていた。
では、70年代のスタグフレーション前夜の状況はどうだったのだろうか。米2年国債利回りのデータは1976年6月1日までしか遡れないため、ここでは米1年国債利回りのデータを使用して検証する。70年代においてスタグフレーションに陥った米国の景気後退期は、1973年11月から1975年3月までの16ヶ月間だ。米10年国債利回りと米1年国債利回りの逆イールド(終値ベース)が発生したタイミングは1973年3月30日だったので、約7ヵ月後に景気後退に入った計算になる(図表1)。逆イールドから景気後退までの期間は、2年国債利回りではなく1年国債利回りを使用しているため短期化しているが、70年代においても逆イールドが景気後退のシグナルになっていたことが確認できる。
逆イールド発生時点から景気後退入りまでにS&P500指数は下落
逆イールドが発生した1973年3月30日から景気後退入りした1973年11月1日までの間では、S&P500指数は3.43%の下落(配当無し、以下同様)にとどまった。しかし、その間の高値(4/11)から安値(8/22)までの下落率は10.78%にもなったので、ボラティリティ(変動率)は高かったことがうかがえる。ちなみに、景気後退期における最大下落率は、1973年11月1日の高値から1974年10月3日の安値までの期間で-42.17%だった。この間、米国CPI(消費者物価指数)は8.3%から12.1%へ加速しており、S&P500指数と米国CPIは真逆の動きをしていたことが分かる(図表2)。
2022年4月1日時点の米10年国債利回りと米1年国債利回り差は+0.72%であり、まだ逆イールドは発生していない(図表3)。しかし、足元で米国CPIは加速しており、FRBは利上げペースを急ピッチで進めていくとの見方がコンセンサスとなっているため、逆イールドが発生するのはおそらく時間の問題だろう。米国の作家マーク・トウェインの言葉通り「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」ことになるのだろうか。
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