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- 米期待インフレ率が3%台へ上昇 FRBの「ビハインド・ザ・カーブ」鮮明に
4月21日に開催されたIMFの討議に参加したパウエルFRB議長のタカ派発言を受けて、米国の期待インフレ率(10年ブレーク・イーブン)は一時3.07%をつけた。この市場参加者が予想する将来の物価上昇率が上振れた背景には、FRBが「ビハインド・ザ・カーブ」に陥ったと市場が判断した可能性が指摘される。
これまで以上にタカ派に傾斜したパウエルFRB議長
先週21日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言がマーケットを動かした。パウエル議長は国際通貨基金(IMF)主催の討議に参加し、5月会合では0.5%の利上げが選択肢に入ると発言、「私の考えではもう少し速いペースで動くことが適切だ」とコメントした。また、インフレについては「今年3月がピークだったかもしれないが、それは分からないので当てにしない」とも述べた。
これまでハト派とされたブレイナードFRB理事やニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁から相次いでタカ派発言が飛び出していたため、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における0.5%の利上げがすでに市場では織り込まれていた。しかし、FRB議長自身が中立金利への利上げが急務であると認め、場合によってはそれ以上の引き締めが必要になる可能性についても言及し、さらに今後インフレ率が上振れる可能性も否定しなかったことから、市場はこれまで以上に急激な利上げを織り込む展開となった。
4月20日のフェデラル・ファンド(FF)金利先物のイールドカーブ上では今年12月時点のFF金利を約2.6%と織り込んでいたが、これがパウエルFRB議長発言後の4月22日には約2.8%まで上方修正された(図表1)。今年3月時点の「ドットチャート」では中立金利が2.375%と示されていたので、市場は中立金利を大幅に上回る利上げを年内見込んでいることになる。
FRBの「ビハインド・ザ・カーブ」が鮮明に
米国の期待インフレ率(10年ブレーク・イーブン)は4月22日に一時3.07%をつけた(図表2)。3月中旬以降は概ね2.8%から3.0%の狭いボックス圏で推移してきたが、前述したパウエルFRB議長発言をきっかけに再び上昇トレンドの兆しが出てきた。
FRB当局者による度重なるタカ派発言にもかかわらず期待インフレ率が上昇した背景には、FRBの金融政策が「ビハインド・ザ・カーブ(behind the curve、後手に回った状態)」に陥っていることがいわばコンセンサス化した可能性がある。無論、FRBの量的引き締め開始を控え、米物価連動国債の需給悪化が嫌気された可能性も否定できないが、S&P500指数が4月21日から2日連続で大幅安となったことを鑑みれば、「ビハインド・ザ・カーブ」→「さらなる金融引き締め観測」→「バリュエーションの低下(株安)」と見るほうが無難だろう(図表3)。
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