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- 自民大勝は日経平均6万円超えの号砲か?
2月8日(日)に行われた衆議院選挙で、自民党が単独で全議席の3分の2超を確保した。これを受けて日経平均株価は、9日(月)から10日(火)の2日間で6.3%上昇し、10日の終値は史上最高値である57,650円を付けた。なぜ日経平均株価は急騰する展開となったのか。株式、金利、為替の観点から、日経平均株価が6万円を超える可能性について検証する。
衆議院選挙後の日経平均株価は史上最高値を更新
2月8日(日)に行われた衆議院選挙で、自民党は戦後初めて単独で全議席の3分の2を超える議席を確保し、歴史的な大勝となった。
日経平均株価は9日(月)から10日(火)の2日間で6.3%上昇し、10日の終値は史上最高値である57,650円を付けた(図表1)。投資家にとって「ポジティブ・サプライズ(予想外の好材料)」となったことは自明の理だ。
日経平均株価が急騰した要因は3つ
大幅な株高をもたらした要因としては、3つほど挙げられる。
1つ目は「政局の安定」である。日本では 1990 年以降、国政選挙が行われた年は25回にものぼり、国政選挙が行われなかった年のほうが少ないほど、政局は不安定である(図表2)。マーケットは先行きの不透明感を嫌うため、政治は安定しているに越したことはない。今回の選挙結果を受け、長期安定政権への期待が高まったことは、プラス材料と言える。
2つ目は「スピード感」だ。自民党が単独で全議席の3分の2を超えた結果、高市政権が掲げる17分野の成長戦略の議論が加速する可能性が高まった。ファイナンスの観点からは、成長戦略による利益が早期に上がれば、その分だけ現在価値は高まる。金利のある世界では、スピード感が命だ。
3つ目は「AI相場の復活」だ。2月6日(金)の米国株式市場では、AI関連銘柄を中心に自律反発する展開となり、日本株式市場でも、高市トレードに加えてAIトレードが復活した(図表3)。底流としてのAI相場の復活は、より持続性の高い上昇基調への期待感を高めた可能性がある。
衆議院選挙後に長期金利はなぜ上がらなかったのか?
一方、自民党の大勝を受けて警戒されていた長期金利の上昇は、いまのところ影を潜めている(図表4)。高市政権の積極財政が加速すれば、財政悪化への懸念から長期金利がさらに上昇してもおかしくない状況だった。
この背景としては、①より拡張的な財政政策を掲げる野党に配慮する必要がなくなったこと、②高市首相が、飲食料品にかかる消費税を2年間ゼロとする減税措置を「給付付き税額控除」導入までの一時的措置と位置づけることを強調したこと、③衆議院選挙前から将来の財政悪化を見込んで長期金利が上昇していたため、その反動で足元では金利上昇が一服していること、などが指摘できる。
衆議院選挙後は円安ではなく、円高へ反転
さらに、衆議院選挙後に米ドル円相場が円高方向に推移したことも、大方の予想に反する結果になった(図表5)。過度な円安が回避されたことは、むしろ日本株の安心材料となった可能性がある。
円高の要因としては、①長期金利が大きく上昇しなかった(さらなる財政悪化が意識されなかった)こと(円高要因)、②複数の当局者による「市場との対話」発言や、実弾の為替介入に対する警戒感が広がっていること(円高要因)、③中国当局が中国の銀行に米国債の保有を抑制するよう指示した、と報じられたこと(ドル安要因)、などが考えられる。
日経平均株価6万円超えの確度が高まった可能性
長期金利や為替相場が比較的安定する中、高市政権が掲げる成長戦略の実現に向けた議論の加速や、AI関連を中心とした国内企業の堅調な利益見通し、米国株と比較した相対的な割安感などを背景に、日経平均株価は年内に6万円を超える確度が高まってきた。
日中関係のさらなる悪化や米国発の地政学的リスクの高まり、株価急騰による短期的な過熱感などのリスク要因には注意が必要なものの、高市首相の発言どおり「Japan is back」がいよいよ現実味を帯びてきた。
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