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- 衰えを知らない中央銀行の金需要
・直近の調査では、多くの中央銀行が金の購入を継続する意向を示している
・中央銀行は長期的な資産保全の手段として金を重要視している
■ 直近の調査では、多くの中央銀行が金の購入を継続する意向を示している
近年、金価格を下支えする要因として中央銀行による金の購入が注目されています。各国の中央銀行は外貨準備を構成する資産の一つとして金を保有しており、ロシアがウクライナを侵攻した2022年以降は、3年連続で記録的な水準となる年間1,000トン超の金購入を行いました。この間、金価格は大きく上昇しましたが、直近の調査によると、中央銀行による金購入に対する意欲は金価格が過去最高値水準で推移する中でも衰えていないことが示されています。
ワールド・ゴールド・カウンシルが実施した世界の中央銀行を対象とした調査では、自らの5年後の外貨準備について、金が占める割合が増加すると回答した中央銀行は全体の3/4を上回りました。
■ 中央銀行は長期的な資産保全の手段として金を重要視
世界の中央銀行が外貨準備として保有する資産の中では、金はユーロを上回り、米ドルに次ぐ規模となりました。
金を保有する理由についての調査の中で「関連性が高い」と回答した割合が最も高かったのは、「危機的状況下でのパフォーマンス」でした。金が持つ「分散投資効果」や「資産価値の保全効果」を評価した回答も前年までと同様に高く、世界経済や金融市場の先行きに対する警戒感や、ポートフォリオのリスク抑制を図る必要性の高まりが意識されていることが示唆されています。
金は世界中で受け入れられ、様々な通貨と交換が可能であることから、普遍的な通貨としての価値を持つと考えられます。また、金は実物資産としてそのもの自体に価値を持ち、インフレに強いとみなされるほか、株式や債券のように発行する国や企業などの破綻で価値がゼロになるといった発行体の信用リスクがないため、「究極の資産保全の手段」としての特性を持つ資産といえます。世界の中央銀行が金購入を継続してきた背景には、このような金の特性に対する理解があると考えられますが、中央銀行が金を保有する理由の多くは個人投資家にも当てはまるのではないでしょうか。
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