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NYダウはこのままV字回復するのか?
田中 純平
2020/04/10

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概要

ダウ工業株30種平均(以下、NYダウ)は3月23日(月)に年初来安値(18,591.93ドル)をつけてから、わずか13営業日でプラス27.6%の上昇となった。ピークから底までの下落スピードは異例の速さとなったが、底から直近までの上昇スピードも異例の速さだ。このままNYダウはV字回復を達成するのだろうか?



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異例尽くしのジェットコースター相場

今回のコロナショックは異例尽くしの相場だ。NYダウはピークの2月12日(水)からボトムの3月23日(月)までマイナス37.1%の歴史的スピード調整を経た後、直近4月9日(木)までのわずか13営業日でプラス27.6%の急反発となった。今回のスピード調整もその後の急反発も、大恐慌時(1929年-1933年)に見られるような極めて稀な現象だ。急反発のきっかけは、FRB(米国連邦準備制度理事会)による無制限の量的緩和と大規模な流動性供給に加え、トランプ政権による大型景気対策が一通り出揃ったことが挙げられる。さらに、主要各国における新型コロナウイルスの新規感染者数が鈍化しはじめたことが、株価上昇にいっそう弾みをつけた。このままNYダウはV字回復となるのだろうか?

 

 

株価の底入れは失業率がピークを打つタイミングか?

 ITバブル崩壊時とリーマンショック時におけるNYダウの株価騰落率(前年同期比)と米国失業率を比較したグラフをご覧頂きたい(図表1、2)。ITバブル崩壊時は米国の失業率が2003年6月の6.3%のピークをつけた翌月にNYダウは前年同期比でプラスに転じた。また、リーマンショック時は米国の失業率が2009年10月の10.0%のピークをつけた同じ月にNYダウは前年同期比でプラスに転じた。一般的に失業率は景気の遅行指数と言われるが、景気後退局面では株価の底入れを示すシグナルになりうる。それでは失業率がピークを打つのはいつだろうか?主要金融機関の米国失業率予想を図表3に示した。2020年3月の実績値が4.4%であるのに対し、2020年4‐6月期の予想値は6.6%~21.0%とかなり範囲が広いものの、ここからさらに失業率は悪化するという見方がコンセンサスになっている。今のところ7-9月期以降は経済活動の再開とともに失業率が低下していくとの見方が支配的となっているが、経済活動の再開が延期または再開したとしても回復が鈍いということになれば、失業率がさらに悪化するリスクをはらんでいる。いずれにせよ、NYダウのV字回復は一筋縄ではいかないだろう。


田中 純平
ピクテ・ジャパン株式会社
投資戦略部長

日系運用会社に入社後、主に世界株式を対象としたファンドのアクティブ・ファンドマネージャーとして約14年間運用に従事。北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードの受賞歴を誇る。ピクテ入社後はストラテジストとして主に世界株式市場の投資戦略等を担う。ピクテのハウス・ビューを策定するピクテ・ストラテジー・ユニット(PSU)の参加メンバー。日経CNBC「朝エクスプレス」、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、BSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」に出演。週刊エコノミスト「THE MARKET」で連載中。日本経済新聞やブルームバーグではコメント多数引用。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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