中央銀行デジタル通貨、その1 | ピクテ投信投資顧問株式会社

中央銀行デジタル通貨、その1 グローバル

仮想通貨のブームは去りました。変動が大きい仮想通貨では通貨(マネー)の基本的な機能である価値の保存や交換尺度を満たしていないとの考えが広まっています。一方で、暗号資産とは異なり、中央銀行が発行する、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は発行を模索する動きや、導入の検討が続けられています。

中央銀行デジタル通貨:バハマが来年中央銀行デジタル通貨導入の可能性を示唆

 報道によると、カリブ海の島国であるバハマは2020年にも中央銀行によるデジタル通貨(CBDC)の導入を検討する方向であることが明らかになりました(図表1参照)。

 バハマ中央銀行は19年3月に、中央銀行デジタル通貨の発行に必要な会社を選定しています。「サンド・ドル・プロジェクト」と名づけられたプロジェクトにより、通貨が幅広く使用されることを目指しています。

どこに注目すべきか:
仮想通貨、バハマ、金融包摂、CBDC

 仮想通貨(最近は暗号資産と呼ばれる)のブームは去りました。変動が大きい仮想通貨では通貨(マネー)の基本的な機能である価値の保存や交換尺度を満たしていないとの考えが広まっています。一方で、暗号資産とは異なり、中央銀行が発行する、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は発行を模索する動きや、導入の検討が続けられています。

 まず、CBDC導入の動向を簡単に振り返ります。

 冒頭ご紹介したバハマは約700の島から成るため、「現金」を銀行窓口やATMを通じて流通させるコストが高いという問題があります。バハマは幅広い現金の流通という問題克服に向けデジタル通貨導入を本格化させる意向です。

 バハマ中銀のサンド・ドル・プロジェクトの資料には、バハマ全ての住民が公平に、デジタル通貨にアクセスできることを目指していることがうかがえます。最近、時々耳にするようになった「金融包摂(すべての人が、経済活動に必要な金融サービスにアクセス、また利用できるというイメージ)」の概念がバハマ中銀の考え方に見られます。

 最近では暗号資産と呼ばれるようになったビットコインなどの「仮想通貨」は数多くありますが、中央銀行の対価(負債)として発行されず「資産」と呼ばれます。暗号資産は通貨というよりはコモディティにイメージが近いと見られます。

 一方で、中央銀行が法貨として発行したCBDCの例は限られています。例えば、エクアドルはデビッドカードのような性格と見られています。2000年にドル化(独自通貨を放棄)したエクアドルでは米ドルが決済に使われていましたが、不十分なドルを補うのに使用された位置づけです。

 より本格的なのはウルグアイで、法定デジタル通貨が発行されました。ただ、ウルグアイも1万人を対象に、半年という期間限定で、試験的な導入にとどまっています。

  バハマの中央銀行デジタル通貨がどのような通貨なのか詳細は不明のところもあります。仮に全ての国民に行き渡ることを念頭にするならば、本格的なCBDCの導入となりますが、内容については今後の発表を待つ必要があります。

  先進国でも、英国、カナダ、そして有名なところではスウェーデンがCBDC導入を検討しています。特にスウェーデンはキャッシュレス化が進んでおり、GDP(国内総生産)に対する流通現金額は1%台に落ち込んでいます(図表2参照)。ただ、反対に言えば、他の先進国も、CBDC導入の検討を進めてはいるものの、現金比率の極端な低下は見られません。

 既に国全体に現金が行き渡っている先進国と、新興国にはCBDCに対する姿勢に違いも見られます。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。 ●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る