新興国の重石となっているアルゼンチンの動向 | ピクテ投信投資顧問株式会社

新興国の重石となっているアルゼンチンの動向 中南米

アルゼンチンはトルコと並んで新興国市場の不安定要因となっています。ペソは18年年初頃から消費者物価指数(CPI)の上昇に伴いペソ安が進行し、足元インフレ率の上昇ペースに若干減速が見られるも、ペソは依然不安定な動きとなっています。成長率など経済指標の改善が鈍い上、選挙への懸念も考えられます。

アルゼンチン大統領選挙:10月の選挙戦の候補者が出揃う

 アルゼンチンでは2019年10月に大統領選挙並びに総選挙が予定されています。大統領選挙の正副大統領候補の登録が6月22日に締め切られ、中道右派の現職マクリ氏(副大統領候補は穏健左派のピチェット氏)と、野党連合「すべての戦線」に所属し左派のアルベルト・フェルナンデス元首相を軸に争われることとなりました。

 当初、大統領選に出馬すると見られていた左派のクリスティナ・フェルナンデス元大統領はアルベルト氏の副大統領候補として立候補することになりました。

どこに注目すべきか:

大統領選挙、総選挙、対外債務、インフレ率

 アルゼンチンはトルコと並んで新興国市場の不安定要因となっています。ペソは18年年初頃から消費者物価指数(CPI)の上昇に伴いペソ安が進行し、足元インフレ率の上昇ペースに若干減速が見られるも、ペソは依然不安定な動きとなっています(図表1参照)。成長率など経済指標の改善が鈍い上、選挙への懸念も考えられます。

 主なペソ安要因はアルゼンチンの財政、経済、政治(特に選挙)に対する懸念であると見ています。

 アルゼンチンの財政は、過去の左派政権によるバラマキ政策の負の遺産による債務負担に苦慮しています。特に問題なのは、短期対外債務負担と見ています。一般に指標とされる外貨準備に対する短期対外債務の比率を見ると1を下回っています。新興国の中でも1を下回る国はトルコなど数少ない国に限られます。

 経済成長もマイナスで、先日公表された1-3月期GDP(国内総生産)成長率は前年比マイナス5.8%と、同様に成長率がマイナス圏に沈むトルコなどと共に深刻な状況です。アルゼンチンのインフレ率は図表1にあるように5月は3.1%で数字だけですと普通の新興国ですが、これは前月比であり、前年比では57.3%と依然高水準です。

 インフレ率上昇ペースが緩やかになった後もペソが不安定なのは選挙への懸念と見られます。現職のマクリ大統領は緊縮財政や、国際通貨基金(IMF)への支援要請など市場に必要な改革や政策を進めてきました。ただ、景気回復を伴わないことから支持率は低下傾向です。世論調査ではマクリ氏の支持がフェルナンデス候補を下回るという結果が多く見られます。ただ、一部大手の調査会社は世論調査の結果を公表していないなど不透明な要素もあります。

 なお、世論調査との相関が高い消費者信頼感指数の動向を見ると低水準での推移となっています(図表2参照)。発足後の支持率は7割程度と見られていたマクリ政権ですが、支持率は足元まで低下傾向です。それにしても政治とは複雑です。国外から見るとIMF支援は必要と思われますが、国内から見ると緊縮策を進めるとしてIMFは不人気です。

 最新の世論調査の中には、決選投票まで進んだらマクリ氏勝利を示唆する結果もあるなど、選挙の行方は不透明です。当面はペソの動向を選挙が左右する展開と見られます。

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