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- 環境変化確認編⑤~通貨によって異なる資産間のリターンの相関~
資産間のリターンの相関は計測する通貨によって異なるため、日本の投資家にとって、円ベースのリスク特性などを計測してポートフォリオを構築していくことが必要です。
■通貨別にみる資産間の相関
今回は資産間のリターンの相関(以下、相関)が計測する通貨によって異なることを確認いたします。相関を確認することはポートフォリオを構築するうえで非常に重要です。相関が低い資産を組合せることでポートフォリオ全体のリスクを抑制し、また、リスク・リターンのバランスが改善する効果が期待できるからです(相関については図表1でその値が示す意味をおさらいしておきます)。ただし、相関がどの通貨をベースに計測されているかに注意が必要です。何故なら、相関は通貨ごとにその値が異なるためです。たとえば、日本の投資家が日本円で投資を行う場合、十分な分散投資が期待できるポートフォリオを構築するためには各資産における円ベースの相関を確認する必要があり、米ドルベースで確認することは適切だとはいえません。そのため、米ドルベースで各資産間の相関やリスクをみて最適化を図って運用しているファンドに日本円で投資をしても、同様のリスクやリターンは得られないといえます。では、実際に相関を円と米ドルのそれぞれで確認してみましょう(図表2、3)。米ドルベースでみると、株式と世界国債や米国国債の相関は相対的に低く、分散効果が期待できることがわかります。一方、円ベースで確認すると、為替変動の影響をうけ、相関が米ドルベースに比べ高くなっていることがわかります。つまり、投資資金が米ドルである投資家が株式や世界国債、米国国債などを組合せて運用する場合、リスクの抑制やリスク・リターンのバランスの改善が期待できますが、投資資金が円である場合、同じポートフォリオで運用しても同様の効果が得られないことがわかります。よって、日本人投資家などの円を保有する投資家が、為替変動リスクを伴う海外資産を含めた国際分散投資を行う場合、リスク・リターン特性の変化を考慮する必要があります。また、為替の影響を抑えながら運用を行いたい場合には、為替ヘッジを活用し、ヘッジコストに留意しながらポートフォリオを構築することも重要だといえます。
図表1:相関係数が示す資産間の値動きの違い
図表2:相関係数(米ドルベース)
月次、期間:2003年11月末~2025年4月末
図表3:相関係数(円ベース)
月次、期間:2003年11月末~2025年4月末
世界株式:MSCI世界株価指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数、日本株式:MSCI日本株価指数、米国株式:MSCI米国株価指数、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、米国国債:FTSE米国国債指数、米ドル建て新興国国債:JPモルガンEMBI グローバル・ディバーシファイド指数、現地通貨建て新興国国債:JPモルガンGBI-EM グローバル・ディバーシファイド・コンポジット指数、日本REIT:S&P 日本REIT指数、米国REIT:FTSE NAREIT オール・エクイティREIT指数、金:ロンドン市場金価格 ※指数は全てトータルリターン
出所(図表2、3):ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
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