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- 環境変化確認編⑦~代表的な資産のリスクとリターンの変遷~
適切なポートフォリオを構築するためには、各資産のリスクとリターンの特性をより正確に把握する必要があり、そのためには計測期間を長くとることが重要です。
■リスク・リターンマップ
今回は代表的な資産のリスクとリターンを確認します。代表的な資産のリスクとリターンには大きな差があり、また同じ資産クラスでも発行体の違いによって差が生まれます。さらに円ベースでみる場合には為替の影響も加わるため、海外の資産のリスクとリターンを確認する場合にはその点に注意が必要です(図表1)。たとえば、同じ国債であっても、日本国債と世界国債ではリスクとリターンの値が異なりますが、これは世界国債が持つ本来のリスクとリターンが日本国債と比べて高いだけでなく、為替の影響が含まれていると考えられます。
図表1:代表的な資産のリスク・リターンマップ
(月次、期間:2003年3月末~2025年5月末、円ベース)
世界株式:MSCI世界株価指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数、日本株式:MSCI日本株価指数、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、日本REIT:東証REIT指数、世界REIT:S&P先進国 REIT指数、金:金/米ドル、すべて円換算、指数は全てトータルリターン(金を除く)。
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
■計測期間を長くとることの重要性
投資を行う資産のリスクとリターンを確認するにあたり、計測期間の長さに注意する必要があります。短期間の計測では、市場の変動や一時的なイベントによる影響が大きく出てしまい、正確な値を把握しにくいばかりか、見誤ってしまう可能性があります。また、そもそもサンプル数が少ない場合には統計上の信頼度も低くなります。一方、計測期間を長くとることで特定のマーケット環境下ではなく、あらゆる市場の変動を含む期間のデータを取得できるため、その資産がもつ本来のリスクとリターンの特性をより正確に把握することが可能になります。よって、自身の目標リターンやリスク許容度に応じたポートフォリオを適切に構築するためには、計測期間がより長いデータを参考にして、検討することが望ましいといえます。ご参考までに代表的な資産のリスクとリターンの推移を振り返りましょう(図表2、3)。各資産のリスクとリターンの値は毎年変化しており、特にリスクが大きいとされる株式やREITはリターンの値のブレも大きく、短期で計測すると各資産がもつ本来のリスクとリターンの値を見誤る可能性があることを確認できます。
図表2:代表的な資産のリスクの推移
(月次、期間:2004年1月~2024年12月、円ベース、各年の12カ月間の月次データより年率換算)
世界株式:MSCI世界株価指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数、日本株式:MSCI日本株価指数、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、日本REIT:東証REIT指数、世界REIT:S&P先進国 REIT指数、金:金/米ドル、すべて円換算、指数は全てトータルリターン(金を除く)。
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
図表3:代表的な資産のリターンの推移
(月次、期間:2004年1月~2024年12月、円ベース、各年の12カ月間の月次データより年率換算)
世界株式:MSCI世界株価指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数、日本株式:MSCI日本株価指数、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、日本REIT:東証REIT指数、世界REIT:S&P先進国 REIT指数、金:金/米ドル、すべて円換算、指数は全てトータルリターン(金を除く)。
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
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